詩まとめ
榎木扇海
第1篇 彼方の星梅
夕闇はれるころに、星はいっとう輝く
それを見るものは少なかれ、ただそこにいる。
届かぬとしても、その声は、何の違和もなくうつくしいのに
泣き、叫んでいる
君はそれでも、僕を遮断して、訴える
僕が見えないままに、あえぐ
誰も僕の名を呼ばなくとも
僕は君の名を呼ぶ
君は輝く 今、強く
君は分かっている
星は、闇の淵でいっとう輝くのだと
ああ、星が散る 散る 散る 散る
はらり、はらりと落ちてゆく
ああ、星が散る 散る 散る 散る
くちびる伝って落ちてゆく
三月の梅、薫だけ残して
僕には春を止められないから
最後の花弁が落ちるまで。星梅
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