妖精はオルゴールの歌手になりたい

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 僕達は妖精。


 人の目を盗んで生きている。


 見つかったら大変だから、細心の注意を払いながら毎日生活しているよ。


 標本にされたり、見世物にされたり、実験台にされたりするのは嫌だからね。


 そんな僕達は箱が大好き。


 隠れ潜んできた歴史が遺伝子に刻まれているのかもしれない。


 段ボール箱やティッシュ箱、お菓子の箱、いろいろな箱が好き。


 妖精によって、好みが違うけど、僕は色んななかでも音楽が響く箱が好きかな。


 オルゴール箱っていうやつ。


 隠れ潜む生活は気分が憂鬱になりやすいけど、そんな時音楽があると日常がぱっと華やかになるんだ。


 自分で歌詞を考えて歌うのも楽しい。


 小さな箱の中にある、人間たちの知らない音楽ステージ。


 たくさん練習して、いつかたくさんの妖精たちの前で歌いたい。


 オルゴールの音楽で歌う歌手になれたらいいな。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

妖精はオルゴールの歌手になりたい 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ