21

行為の後、ミキは死んだようにスヤスヤと眠っていた・・・って眠らせたのはボクの仕業なんだけどね。


ミキに差し出した方のティーカップにはあらかじめ強力な睡眠薬を塗っておいたんだ。毎回注いでカップを差し出す時には間違えないようにドキドキするんだよね。


姉さんを殺してから一番最初に興味を持ったのは生きている人間も抱いてみたいって事だった。


でもさ、抱き終わる度に毎回つくづく思うよ。


やっぱりセックスはさ、生きている時より死ぬ直前にやった方が気持ちいいってね。


それからボクは汗をかいた身体をシャワーで綺麗に洗い流した。


ミキにはボクがどんな姿で見えているのかな?挿入しながら見下ろした先にはとてもうっとりとした瞳でボクを見つめるミキがいた。さっきのセックスでちゃんとミキの身体と記憶にはボクが刻まれたんだろうか?こればっかりは祈るしかないね・・・だって、もう二度と、この世界で暗闇以外を見る事は無いのだから。


前に庭に掘っておいた穴の様子を確認しに行く。


・・・うん。このくらいあれば余裕だね。


ボクは着々とその時のための準備に入った。


ボクの家にはさ、防音室があるんだよ。防音室ってわかってはいたけど何のための防音室だったか知ったのは結構大人になってからだったな。


だってうちは山の中にあるしお隣さんとも距離が離れてるし、小さい頃ピアノを習っていたけどそれこそ今考えると防音室に置くべきだったんじゃないかって思う。


でも、そうじゃなかった。


冷たい殺風景なコンクリートに囲まれたその部屋は、ボク達家族の殺人部屋だったんだから。


まあでも、皆知っていても家族の中でこの部屋の存在が話題にあがる事はなかったけどね。


そこには簡易的なベッドを改造したボクだけのオリジナルベッドが置いてある。


ベッドには上には手錠、下には足枷が繋がれており繋がれたら最後、よっぽどの怪力か超能力でも持っていないとそこから逃げる事は出来ないよ。


そしてベッドの隣にあるテーブルには白くて丈夫なロープと宝物のナイフが用意されている。


ボクは眠っているミキをお姫様抱っこして殺人部屋へと連れて行きゆっくりとベッドに寝かせてあげた。


目には黒い布で目隠しをし、鎖に繋がれた手錠と足枷をミキにはめる。


ーーガチャン。


全裸で万歳した格好でベッドに眠るミキにボクはせめてものタオルケットをかけてあげた。おやすみ、目を覚ますまであと三時間くらいはこのままかな?


準備が整うと安心して眠気が襲ってき  

た。


そして欠伸をしながら考えた・・・ボクも少し休もうかな。何でもお楽しみは長く待っただけ楽しいもんね。


そうして殺人部屋に鍵を掛けた後、ボクは姉さんのベッドに戻り三時間後に目覚ましをかけて幸せな気持ちで眠りについたんだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る