第5話 前世以前の知識の思い出し方と収納魔法

お腹が膨れたし、暖をとることもできたからそろそろ滝の登り方を考えるとしようか。

滝の登り方、滝の登り方........あっ!

思考がまとまりだした。

なるほど、私はどうやら前世以前にこの滝を登れそうな方法をいくつか極めていたようだ。前世以前の知識に関してはどうやらこれをしたいと強く念じるだけで使えそうな知識を思い出すことができるようだ。

思い出せた方法は

1.クライミングで滝のすぐ横の崖を登る方法

2.身体強化を行い、全力で跳ぶことで滝を登る方法

3.飛行魔法を使って飛んで行く方法

4.周囲の木を組んで階段を作ってそれを登って行く方法

の4つであった。1つ目と4つ目は全く装備が無いので却下。あとは2つ目と3つ目のどちらかなんだけどどちらも魔法を使えないとできないのだが、そもそも魔法の使い方が分からん。

よし、魔法の使い方を思い出すとするか。

魔法の使い方、魔法の使い方、カニの食べ方、モズクガニの食べ方、魔法の使い方....

ダメだ、途中で違うことを考えてしまいうまく思い出すことができない。

よし、取り敢えずモズクガニが視界に入っているから違うことを考えてしまうに違いない。こんなときは目を瞑ってもう一度念じるとしよう。

魔法の使い方、魔法の使い方、魔法の使い方...よし思い出したぞ。まずは体内にある魔力菅(通常、生物を解剖しても見ることはできないが目に魔力を通して見ることで見えたり、見えなかったりする管。なぜ見えたり見えなかったりするのかを研究するには時間が足りぬ。悔しいがここまでか。我が人生ただ1つの後悔は目に魔力を通して生物を解剖することを全く考えられず、思いついた時にはすでにこの身があと1年も持たぬような時であったことだ。)に意識して魔力を通し、使いたい魔法をしっかりとイメージすることで使えるようになるみたいだ。

よし、なんか前世以前の後悔も思い出したが取り敢えずやってみるか。


4時間後


ダメだ、全く魔力菅がイメージできない。これでは魔法を使うことができないではないか。きっと見たことがないから分からないのではないか?きっと見たらわかるはずだ。というわけで、生物を捕まえて解剖したらわかるのではないか?とはいえ、いつの間にか日が暮れ、起こした火以外に灯りが無い中で探すのは無謀でしかないな。仕方がない今日は諦めて明日、日が登ってから確認するとしよう。そうと決まれば、晩御飯にするか。しかし、カニしか残っていないのだが、どうするかな?こんなことならアユみたいな魚の1匹や2匹残しておくんだった。まあ、今さら後悔しても仕方がないか。

硬いカニの殻の割り方、硬いカニの殻の割り方...ん?カニの殻が青白く光っている筋がある。これはなんだ?もしかして魔力菅?なる程とても細かくあるのだな。よし、これをイメージしてもう一度やってみるか。

あ、できた。なる程後は、しっかりとイメージができたらいいのだな。

空を飛ぶイメージ、空を飛ぶイメージ、身体強化をするイメージ、カバンをイメージ、空を飛ぶイメージ.....

「は!」

あ、カニが消えた。どこにいった?ん?

「モズクガニ(魔物への進化途中)が収納されました。」

「誰だ?」

よく分からんが今変な声が聞こえた気がする。まあ、いいか。今は目の前の滝を登るために空を飛ぶか身体強化で跳んで登るためにどちらかをできるようにならなければいけないのだし。

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