第16話 作戦会議
「えぇ!?シーオーク族の方からダンスパーティーに誘われたの~!?」
相談室にシエルの叫び声が響く。
「友人からのおこぼれを貰ったようなものなんだけどね」
リリィがそう言うのだが、何だか表情は微妙そうだ。
「あの……シーオーク族ってそんなにすごいんですか?」
カナリーが恐る恐る妖精族の2人……シエルとリリィに聞く。
答えてくれたのはシエルだ。
「すごいよ~!!妖精族の中では上級の妖精!宮殿に住む資格があるし~体内に神聖な魔力を豊富に宿してるんだよ~!」
「へぇ……宮殿に住む資格があるなんて本当にすごい妖精なんですね。リリィさん、すごいじゃないですか。そんな方からのパーティーに行けるなんて!」
ノワールがキラキラした瞳でそう言う。しかし、やっぱりリリィの表情は何とも言えない顔だ。
「リリィさん、何か悩み事でも?」
カナリーがそう聞くと、リリィは話してくれた。
「実は……一緒にいく友人がね、『気になってるシーオーク族の方の心を掴んで離さないようなドレスとかトークとかダンスを考えて欲しい!』って言われんだけど……」
「何も思いつかなくて困ってる……って感じですか?」
カナリーがそう言うと、リリィは頷く。
「そうなの!友人の恋愛、応援したいのよ。だから適当な事は言えないから、アレコレ考えたら、何が正解かよくわかんなくなっちゃって……。私もよくわかんないって投げたら、友人も困っちゃうし」
そんなわけで、皆で色々アイディアをだすことになった。
「そうだなぁ。トークに関しては……やっぱり共通点が多いと話が盛り上がりますよねぇ」
「本で読んだことあります。相手と同じ食べ物を食べたり、相手と同じしぐさをしたり……そうすると好感を持ちやすいとか」
シエルとノワールが言ったことをリリィはメモする。
そこでカナリーが反応する。
「鳥も一緒ですよ!!」
「え、鳥も?」
リリィが首を傾げれば、カナリーが説明する。
「はい!求愛のためにオスは歌ったりするんですが……メスの声をどれだけ真似できるかが重要な鳥もいるんです!インコなんかがそうですね」
さらにカナリーは喋る。
「あとは、複雑なダンスが踊れる鳥は経験豊富……つまり、ヒナを育てる知識、能力を持っているためメスからモテますね」
「複雑なダンス……!リリィさんのお友達もすっご~いダンスができたら絶対に目を引くね!」
シエルがそう言えば、リリィも納得したように頷いた。
すると、カナリーがポンッと手を叩く。
そしてこう言う。
「そうだ、皆さんに突然ですが……クイズです!派手な見た目をしている鳥はオスとメス……どちらが多いでしょうか?」
「……オス、ですか?」
ノワールがそう言えば、カナリーは満面の笑みを見せる。
「そうです!見た目の華やかさでオスはメスにアピールするんです!」
「好きな人のためにお洒落するのは鳥も私達も一緒ね」
リリィが頷きながらそう言った。
「パーティーの時に着ていくドレスも、けばけばしい感じにならない程度に華やかなドレスにしないとね~」
シエルが言ったことをリリィはメモする。
「皆、ありがとう。友達に伝えてみるわ!」
「お役に立てたなら良かったです!」
「お友達の恋が上手くいくといいね~」
「リリィさんもパーティー楽しんできてくださいね」
数日後、パーティーを無事終えたリリィは、嬉しそうに皆にパーティーであったことを話した。
どうやら、お友達も上手くいったようで……。
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