星典創造
彼が地下世界だと言ったこの場所。
そう易々と信じられるものではなかったが、空が何かに覆われているのを見ると否定はできなかった。
そしてこの光景を見ていたのは、この地下世界にあった巨大な柱の中間あたりから。
この柱が天井を支えるためなのか、それとも地上と天井をつないでいるのかは分からないが、複数の柱が立っているのが見えた。
しかもこの柱だけなのかは不明だが、表面には何らかの文字と思われる記号がいくつも掘られており、文章のようにも思えたけれども、なんというか一種のお
それにこれらの文字を刻んだ者がここに居るって事だ。その者たちは人に似ているのか、それとも知性を持った人とは似ていない、全く別の生命体なのだろうか。
私が落ち着いたのとほぼ同時に、ここから移動すると言われた。
どこへ行くのかと問うと、正面に見える天高くそびえ立つ山の方向。どうやらそこで誰かと会うつもりのようだ。
やっぱり、この地下世界には意思疎通のできる生命体がいるらしく、しかも人間と同じ姿かたちをしているとの事。だけど大きさだけが人間とは違っているらしい。
大きいのか小さいのかも聞こうとしたら、再び光に包まれた。
移動した先は山の麓。
最初に居た柱は、広大な森林を挟んだ向こう側に見えた。たったの数秒でこの距離を移動したのが信じられない。
もし、この距離を新幹線で移動したのなら何時間かかるのか、少し気になった。
そして目的の山を見ると、麓から中腹にかけて大きな建物が立っていた。
私が居る場所から少し距離があるはずなのに、地上の建物とは違って背の高い建物が多く、何よりも大きく見えた。
あの大きさから推測すると、おそらく今から会う者たちは私たちよりも何倍も背が高い。もしかしたら巨人と呼ばれる存在と会うことになるかもしれないし、ただの大きいだけの建物かもしれない。
そこからは徒歩でその街へと向かったのだが、最初に見た時に想像していた以上に建物が大きかった。
道中誰に会うのかと聞くと、彼はただ一言「ここの王だよ」とだけ。
そして街中は、つい先ほどまで賑わっていたような形跡があったのに、街には誰一人おらず、しんと静まり返っていた。ここの住民たちはみんな建物の中へ逃げ込んだようにも思える。
そんな街中の様子を彼は気にすることなく街中を進み、目的の場所と思われる建物へと躊躇なく入って行った。
彼が入った建物は道で区切られた一際大きなもので、建物の全体像は分からなかったけれども、何となくお城を連想するような外見をしていた。
私も少し遅れて彼の後をついて行ったのだが、分厚く巨大なお城の扉を彼一人でどうやって開けたのかが気になった。
大きな部屋と見間違えるくらいに広くて大きい廊下のような場所を進むと、一番奥に植物や水、それに炎などの装飾が施された巨大な扉があり、驚くことに彼はその扉を片手で軽々と押し開けたのだ。
中に入ってまず目に入ったのは大きな椅子と、それに座る巨人。
部屋は円形で、他にも3脚の椅子が置いてあったのだが、それぞれ大きさも材質も異なっていた。
丸太から削ったような椅子もあれば、私が座ったら壊れてしまいそうな小さな椅子もあった。そして岩を削った椅子が置いてある周りには堀のような溝が掘られていて、その中に水が張られているといった、何とも不思議な置かれ方だ。
それらの3脚の椅子の後方には、椅子に座る者と同じくらいの大きさの扉が設置されており、木の椅子の扉には木の枝葉があり、小さい椅子の扉には岩のようにゴツゴツとしていて、水が張られた椅子の扉は半分くらいが水中に沈んでいて、扉からは水が湧き出すかのように流れていた。
私が部屋の中を観察していると鐘が鳴り響いた。
彼と巨人の王との間で何やら話をしていたみたいだが、私は椅子の方に気を取られすぎていて、ほとんど聞いていなかった。
鐘が鳴り終わってしばらくすると、椅子の後ろにあった扉がそれぞれ開いた。
木の扉から出てきたのは、金色の長い髪を持つ耳が長い女性。
小さい岩の扉から出てきたのは、作業をしていたのか顔や服に土がついた小人。
最後に水の扉から出てきたのは驚くことに人魚だった。
巨人の王と同じように椅子に座っていることから、扉から出てきた3人もそれぞれ王、もしくは女王なのだろう。
彼は王たちと4人の王たちと話をしていたが、私には何を言っているのかさっぱりわからなかった。
しかし彼だけは私と同じ日本語で話しているはずなのに、意思の疎通が取れていた。
なぜ会話が成り立ってるのかを私が考えたところで判明する事は無いから、一旦保留とする。
話し合いは思っていたよりも早く終わり、巨人以外の3人はそれぞれ入って来た扉から戻って行った。
そしてようやく、彼からこの地下世界に来た理由や、4人の王たちと会った理由を説明をしてもらう事ができた。
この地下世界に来たのは巨人たちの力を借りて星典なる物を造る事が目的だったようだ。
星典自体は材料があれば彼も造れるようだが、巨人たちの方が適任だと判断したからだそうだ。あと、私の事を紹介しておきたかったとの事。
もしかしたら将来、巨人たちと再び会う事があるのだろうか。まあ、彼の意図は今考えても分からない。
今日この後から星典を造り、私はそれを持ち帰るのが今回の目的のようだ。
再度扉が開き、耳の長い人は束ねられた植物を持ち込み、小人は背中の籠に鉱石を沢山持ち込み、巨人を含めた3人で何かを造り始めた。本来は巨人だけでやる作業らしいのだが、時間が惜しいから手伝ってもらっているらしい。
途中で人魚の女王が入ってきたが、彼女は何かをするわけでもなく、椅子に座って巨人たちの様子をただ見ているだけだった。
それはみるみるうちに植物が本へと形を変え、9冊の本が出来上がった。
そして人魚が歌い始めると、小人が持ってきた鉱石を手にした巨人がその歌の内容をすらすらと本へ書き込んでいく。
一気に9冊分も歌い、書き終えると、彼が受け取ったはずなのだが9冊もあったのに手に持っていなかった。気になって聞いたところ、カバンに入っているから心配ないと言っていた。本当に大丈夫なのか少し心配だ。
この本を造ってくれた彼らにお礼を言いたかったけれども、私は彼らの言葉を知らなかったからただお辞儀をする事しか出来なかったが、一応私がお礼を言いたかったという事は伝わってはいたらしい。
帰りも来た時と同じように光に包まれてから数十秒ほどすると、喫茶店の入り口にまで戻っていた。
地下世界で経過した時間は不明だったが、体感で数時間は滞在していたように感じていたから、もう夕方くらいかと思っていたけれど空はまだ明るく、喫茶店内の時計では午後3時を過ぎたあたりに針があった。
もしかしたら地上と地下では時間の流れが違うのかもしれない。
まだ家に帰るまで余裕があったから、今日地下でもらったこの本についてもう少し詳しい事を聞きたかったので、再び喫茶店で話すことになった。
私のこの瞳。黒渦のような星の力が稀に宿ることもあるらしく、その力を国内外の悪い奴らが狙っているらしい。
そいつらの瞳の力を利用されるのを防ぐために、私を地下世界へ案内し、地下世界の王たちに9冊もの本を造ってもらったようだ。
この本、星典は9つの星々に対応していて、これと適合することができればその星典に対応した星の力が使えるようになるとか。
だけど、星典から得られる力は本来の能力よりも控えめなものとなっているそうだ。
そして彼から本を受け取ろうとした時、彼は全く予想していなかったところから9冊もの本を取り出した。
まず手にしたのは、金属でできた板のようなもの。身近なものだと、かまぼこ板によく似ていた。
なぜ本ではなく、そんなものを手にしたのか意味が分からなかったが、彼がその板を手に持った後、机の上に9冊の本がどこからともなく出現したのだ。
私はその光景をまじまじと見つめていたのだが、彼は私がその光景を見ていたことに気付いた時、彼は言葉にはしなかったけれど、やってしまったとばかりに焦りをみせた。焦りとはいっても僅かに動きが止まり、目が泳いだように見えただけだから気のせいかもしれない。
それにしてもあの板を私が見たのは、そんなにいけない事だったのだろうか。
星典を受け取って帰ったが、9冊の本を持ち帰ったからなのか、父さんと母さんからどういった本なのかと聞かれ、どう答えたいいのか迷った。
正直に「今日は地下世界に行ってそこで巨人の王たちに造ってもらった特別な本なんです」と言ったところで信じてくれるはずがない。
修行のやりすぎで頭が変になったと思われたら誤解を解く方が大変だろうし、古本屋で買ったと適当に返しておいた。
さて、これからどうしようかな。仲間を増やして星典の適合する人も見つけないといけないし、やることがいっぱいだ。
この手帳久しぶりに見つかったから一応何か書いておこう。
書く前に読み返したんだけど、所々に書いてある彼って誰の事だったのか全く記憶にない。
この手帳に書いたのは私なのかが気になる。
書いてあるとおり私は地下世界にも行ったし、地下で4人の王たちとも会い、星典も受け取ったのは私でも覚えているのだが、私の記憶では全部私ひとりで行ったはず。
だが、この手帳に書き込んだ時点での私には同行者がいたようだ。
私の記憶が改ざんされたと考えてもいかもしれない。
一通り読んでも思い出せなかったので、思い出すまでしまっておくことにしよう。
「星典って母さんが地下世界に行って造ってもらったなんて知らなかった。でも地下世界に人間以外の人型生命体がいるなんてこれ読むまで知らなかったんだけど本当にいたの?」
「私もあんまり覚えてるわけじゃあないから何とも言えないけれど、そこに書いてあるなら実際に会ってるはずよ」
ずいぶん曖昧な回答だが、やっぱりこの時の事をピンポイントで忘れているようだ。
いくらか時間が経ってから再度書いた文を見る限り、これを書いた時にも既に謎の人物である彼の事が記憶の中から消えていたらしい。
地下世界で消去された可能性も疑ったが、ここに書いてある事を信じるのなら記憶が消えたのは地下世界から帰って来てある程度の時間が経過してからだろう。
(あれ?まだ何か書いてある)
ページがまだ余ってはいたが、既にしまっておこうなんて書いてあったから、あとは白紙のままだと思っていたんだけど、まだ何か書いてあるようで捲ってみると、そこには様々な人の絵が描かれていた。しかもリアル調ではなく、もっとシンプルな感じのデザインで……確かデフォルメと言うんだったかな。なんというか最近よく聞くゆるキャラっぽさを感じる。
もしかしたらこの絵の人たちが地下世界の人々なのだろうか。
「へー……母さんってこんなに絵が上手かったんだ」
「私、そこに絵なんて描いていたのね」
「色々書いてあるけど、あとで母さんも見る?」
「余計な事しか描いてないと思うから、私は見ないわ」
「そう?よく描けてるし、見たら何か思い出しそうだけど……」
話している時に私の方を見る事が無かったから、本当に興味が無いようだ。
描いてある人たちをよく見ると、巨人と思われる人は重厚そうな鎧を身に着けているが戦いに慣れている種族なのかもしれない。
耳の長い人たちは今でいうエルフってやつに似ている気がする。着ているものは巨人とは違って鎧ではなく服だし……簡略化されて描かれているからよく分からないけど、これは植物を加工した服だろうか?
小人は地下で鉱石を掘るのが主な仕事だからなのか、土汚れまで描かれている。服はエルフに作ってもらったようなものを着ていたり、動物の皮を加工したようなものを着ている者もいるようだ。それに採掘用のつるはしや鉱石を入れる籠を背負ってる姿も描かれていた。
人魚はその名の通り下半身は足ではなく魚のようなヒレがついていて、鱗に覆われているみたいだ。上半身はおとぎ話のように貝殻などがくっついてるのではなく、こちらも鱗のようなもので覆われているが、服を着ている人魚の姿もあるから、着るかどうかは自由なのかもしれない。
そして、この4種族以外の生物がここに描かれていた。
その生物とは竜。西洋のドラゴンのような姿をしている生物がいるなんて若い時の母さんは一言も描いてなかったけれど、こんなに目立つ竜を書き忘れるなんて事は流石にないはずだ。
おそらく地下世界で誰かから聞いて書いたのかもしれないなんて考えていたら、次のページに竜についての事が書いてあった。
『資源を奪いに来た地球外生命体との戦争が終わって、再度の侵略を防ぐために竜族と一部の巨人族たちによって空を覆うほどの壁が作られた。
その際に竜族は絶滅。参加した巨人族も全員死亡。
ここで一番高い山に竜の都があり、それ以外に黄金郷があるとされていて、そこには竜の卵があるとかないとか』
それ以外にも色々と書いてあったし、地下世界の人たちとはまた違う人の絵が見えたけど、読む前に部下から連絡が入った。
急ぎの報告らしく、どこにいるのかとメッセージが送られてきたから所長室に居ると返信したところ、母さんにも用があるみたいでここまで来るらしい。
「失礼します」
「急な連絡だったけど、何かあった?」
「詳しい説明をするよりも、まずこれを見てください」
差し出された二枚の紙に印刷されていたのは、一筋の光が写っていた。違いがあるとすれば昼と夜の異なる時間帯くらいだろう。それと空だけしか写ってないから分からないが、もしかしたら場所も違うかもしれない。
「これって隕石?」
「詳しい事はまだ分かっていませんが現時点では違うと思われます」
「あるのって写真だけ?映像とか残ってたりしない?」
「映像も残ってますよ」
「じゃあ……母さんのパソコンに送ってくれないかな?」
「分かりました。すぐに送ります」
「いつまでテレビ見てるのさ。次は母さんの番だよ」
「分かってるわよ。この後予定はなかったはずだけれども、何か急な用件でもあった?」
「急と言うほどではないんですけど、
「植物生命体が?珍しいわね。まあ彼女についてでしょうけど、時間は決まっているの?」
植物生命体の方から母さんと会談したいってなったら、いつもは植物生命体がこっちに来るか母さんが行くかして直接顔を合わせるようにしていたのだが、今回は初めてオンラインを希望しているようだ。
しかも急な事だし、
「いえ、特に決まってはいないですが、すでにあちらは待機されていると思います」
「じゃあもう少ししたら繋いでみようかしら」
「分かりました。ではそのように伝えておきますので、私はこれで失礼します」
部屋から出ていくとほぼ同時に、例の映像データが母さんのパソコンへと送られてきた。
長く尾を引く真っ白な光が夜空を横切るものと、昼間の空にもかかわらず真っ白な光がカメラは記録していた。
この映像を最初に見た時、ついさっき日記を読んだばかりだからか、謎の人物である彼の事が思い浮かんだ。
(そういえば、植物生命体の事をプランティアンなんて呼ぶの私たちくらいしか知らないな)
そもそもプランティアンって呼んだのは母さんが最初だ。最初に会った際、私もその場に居たのだが、相手もまさかその呼び方をされると思っていなかったのか驚いていたような気がする。
その事を今になって考えると、
「あなたが話していた映像、私のパソコンに届いたの?」
「うん。今から見るところだけど、母さんも見る?」
「そうね。この後会談もあることだし、ついでに見ようかしら」
夜空を横切った謎の光が記録されたのは一昨日の夜中。
地上のカメラと衛星のカメラ、両方の映像を見てみると、その光の不自然さが鮮明になった。
最初の軌道から計算すると地上へ落下するルートじゃなかったはずなのに、途中で下にカーブし、ヨーロッパ方面へと落下。
二つ目はその次の日の昼間。こちらも一つ目と同じく不自然な動きをしていたが、こちらの方がより変な動きをしていた。
地球上空へと飛来した時のルートは前と同じく通過するだけのはずだったが、何かを探すかのようにふらふらと行き来し始めたかと思いきや、追いかけるようにヨーロッパ方面へと勢いよく落下。
「もう少し詳しく調べた方がいいかな。母さんは何か気付いた事とかある?」
「…………」
「……母さん?」
「そうね……もう一度昼間の方を見せてくれない?」
どちらも同じような光が映った映像なのに、なぜか母さんは二つ目の映像だけを繰り返し何度も見ていた。
テレビを見ている時とは違って食い入るようにパソコンの画面を見る様子は、とても真剣なもので、最近では見ないとても珍しいものだった。
とはいっても外見的にはあまり変化が無く、家族以外だったら気付かないかもしれない。
「この後の会談、延期にしてもらった方がいいんじゃない?」
「そんな心配はしなくていいわ。もう少ししたら始めるから」
「……なんか雰囲気違わない?」
「そうかしら?別にいつも通りよ」
いつも通りなんて言ってるけど、絶対に違う。この雰囲気は私の若いころの母さんに似ている気がする。
その時と比べても昔の方が全然鋭い感じだったし、もし今その時の雰囲気だったとしたら……なんて事はあんまり考えたくない。
「まあ、大丈夫そうならいいや。私はこれから、この映像をもっと詳しく調べるからもうそろそろ戻るよ」
「あ、言い忘れてたけど、調べるのは一つ目の映像だけで十分だと思うわ」
「え?二つ目の方はいいの?母さん何度も見てたから何かあると思うんだけど」
「二つ目の方は多分問題ないわ。問題なのは一つ目の光がどこに落ちたのか。それを最初に調べて、終わったら二つ目の方を調べてもいいわよ」
ここまで言われたら一つ目の方を調べないわけにはいかない。
どの地域に落ちたのかは映像に記録されているから、あとはその地域のカメラ映像を調べるだけだ。
それだけならSNSに投稿された映像だけで十分かもしれないし、たいして時間はかからないだろう。
望が部屋を出て行き、ガチャリと扉が閉まったのを確認してから深く息を吐いた。
つけっぱなしのテレビから、地下トンネルの事故の内容を淡々と読み上げる記者の声が静かな部屋に響き渡る。
『——この爆発事故により、鉄道会社は品川、大阪間の開業予定を来年から再来年へと延期することを発表しました』
予想通り開業は延期されたが、まさか一年延ばすだけとは思わなかった。
私としてはこのリニアモーターカーの建設計画を破棄して、真空チューブの中を拘束で移動する乗り物……確かハイパーループと言う名称だったはず。
そっちに変更してもいいと思うのだけど、ここまで進んだ計画を破棄するのも厳しいか。
(それに……この映像——)
少し意識がそれてしまったが、望が私のパソコンに送ったこの映像。特に二つ目の映像を見た時、何かを思い出しそうな気がした。
その何かについても検討はついている。
おそらく、私が地下世界に行ったあの時期の事だろう。
そして何度もその映像を見た結果思い出したのは、誰かの声だった。
『もし同じような光を複数見たら、最初に出現した方が敵だ』と誰かが私に向けた
しかし、光を見たら敵だなんて内容をそう易々と信じられるものではないが、この発言者不明の言葉を信じられる自信が私にはあった。
それは以前、
そんな大胆な行動を私が取った理由は、地下世界に行ったあと、頭の中に『
最初は意味のない戯言だと気にしないでいたのだが、実際に植物生命体が訪れた時と友好関係を結んだあと、その評価は一転した。
そしてこれらの私に向けたと思われる謎の人物の声が同じだった。
だからこそ、一つ目の映像を詳しく調べるように望にお願いしたのだ。
——そんな事を長々と考えてる暇はない。この後植物生命体とのオンライン会談があるのだから。しかも、もうそろそろ約束の時間だ。
相手が聞きたい事は宇宙の瞳の事くらいだろうか。
私もヨーロッパ諸国の友好関係について一応聞いておかなくては。
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