問2「算数世界の掟」
身長152cm、体重45kgの小学4年生、たかし君は25m先の道路に突然現れた外国人のふたりを見てとても驚き、時速5kmで駆け寄りました。
ケン君とメアリーさんの身長はそれぞれ182cm、172cmです。三人の平均身長はいくつでしょうか?それはともかく、たかし君はこの時初めてパツキンの美女を目にしました。算数世界にはこんなボインボインのお姉さんは存在しえません。メアリーさんのスリーサイズは、上から98、62、95といったところでしょうか。カジュアルなセーターの上からでもその豊満なボディがくっきりと浮かび上がっているのが明らかです。たかし君はこの時初めて、身体の奥がじんと熱くなり、こみ上げて来るものを感じてしまいました。だけどまだたかし君には、この熱い昂りを鎮める方法が判りません。一体どうすればいいでしょうか?
なお、隣でゆっくりと起き上がった、むさくるしくて微妙に毛深い外国人男性のことなど1mmも気にかけないとする。
メアリー:「う、うーん。一体何が起こったのですか?」
ケン:「とても不思議です。わたしたちはトラックに衝突されたはずなのに、こうして生きています」
「……は、ハロー?ふーあーゆー?」
数字には強いたかし君ですが、英語はてんでダメです。それに算数では、素敵なお姉さんに声を掛ける勇気の方程式、は教えてくれないのですから。
ケン:「なんですか?このガキは」
メアリー:「ケン。口が悪いです。親切に声を掛けてくれた子供に何てことを。でも丁度良かったです。ねえ、坊や。ここは一体どこなのですか?見たところ、普通の街中のように感じますが、私たちの住むミッドタウンのストリートではなさそうです」
「あ、えーと、はい、えーと」
たかし君はどぎまぎしながら後退りました。ただでさえ魅力的な女性なのに、こんなにアグレッシブにぐいぐい距離を詰めてこられるとたまったものではありません。外国人にありがちな躊躇の無さです。しかも約20度で前に屈むメアリーのたわわな球状の質量×2が丁度たかし君の視線の延長線上にあります。たかし君も約15度の角度で前屈みになりました。
その時。「あれ?おにーちゃん!」
7時半に家を出発したたかし君から5分遅れて家を出た、たかし君の妹のゆみこちゃんが、時速3kmでててて、と走って来ました。算数世界では、きょうだいは必ず時間差で出発しなければならないという掟があるからです。
さて、以上の文章内に出てきた数字の合計はいくつでしょうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます