第21話
主治医の混乱した人間性に巻き込まれて、最も匿名アカンとを本人特定し、本人しかいない場所でスマホの画面を突きつけたのは自分であるから、自分で自分を混乱に落とし込んだ責任はあるにせよ…こういう混乱とか悩みには生産性が無いのは確かだから、さっさとけりをつけたほうがよさそうだった。
診察を終え、椅子に座って少し待って、受付で処方箋を受け取って、薬局へ向かおうとすると、やはりあの女がいた。帽子をかぶって、私の斜め後ろに座っていたのだ。今日は後ろ向きになっていて、彼女の顔は見えなかった。
元夫のことはともかく娘は大丈夫なのだろうか?
あれから連絡がとれない。親権は元夫にあるので、勝手に連絡をとることははばかられた、元夫からかかってきた妙な電話と娘のことが頭から離れない。「手紙は読んだ。早まるな」私は彼がそう言うのを確かに聞いた。どういう意味なのだろう?
私は彼に手紙など書いたことはない。独身時代もそうだし、結婚し、離婚してからもそうだ。メールくらいは送ったかもしれないと思い出そうとしてみたが、私はLINEとかやっていなかったし覚えがない。
電話をしてみるがつながらない。手紙を出そうにも住所を知らない。思い余って彼の職場に電話してみた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます