第10話

私にとって私の仕事がいつまで続くかがすべてだった。フリーランス〇〇者としての私の仕事は、低空飛行で安定していた。〇〇者は〇〇会社のトライアル試験を受けて〇〇者登録され、クライアント企業から受けた依頼を〇〇会社が〇〇者に依頼して〇〇者が受注…という流れの業務委託だったが、どこのクライアント企業でも機械〇〇のAPIを高い金額出して買うケースが多く、当然、外注業者であるフリーランス〇〇者の受注できる量は減ってきた。前なら10000語の仕事をくれたクライアントが200語くらいしかくれなくなって往生した。〇〇者の賃金は単語ベースなのだ。1ワード5円なら10000語の受注で50000円になる。しかし200ワードなら1000円という具合に。気の毒に思ったのか、〇〇会社は音声起こしとか別の作業を与えてくれた。配慮には感謝しかなかったが、私は〇〇者なので〇〇がやりたかった。

仕事が無くなってしまうのは怖かったが、〇〇者になってからというもの、独りで頑張り続け、いまや離婚して子もいないという状況になると、少しのんびりしてもいいやという気持ちに余裕ができた。お金のかからない生活を心がければあと一年くらいは何とかなりそうだった。〇〇の仕事は難易度というより納期が厳しかった。もっと時間に余裕のある毎日が恋しかったのだ、きっと。


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