失敗修正ゲーム

@yume_mike

第1話 ゲーム中毒者

人は誰しも間違いを犯してしまう。

では間違る前の世界に戻れるとしたら?

戻れたその時、人は何を思うのか。

この物語は「幸せな日常」を追い求める一人の少年の話である。




「っしゃあぁぁ!これで10連勝!」   

午前7時半

人気ゲームである『ポシェモン』のゲーム画面に食い付きながら雄叫びを上げる一人の少年、彼の名は 夢咲 悠汰

この物語の主人公であり重度のゲーム中毒者である

「悠汰!学校間に合わないよ!」

「分かってるよお母さん。今出るから」

(もう学校行く時間かよ、、、ゲームの続きしたい、、面倒くせぇ)

急いで準備をし家を出ると外には満開の桜が

辺り一面に咲いていた。

(もう3年生か、、、高校受験とかほんと最悪だ。中1に戻りてぇ〜。)

そんな戯言を心の中で呟きながら走って学校に向かう。これが彼のいつもの一日のはじまりである。

         •

         •    

         •

「はい次、夢咲君。自己紹介頼むね」

「はい、、、」

端的な自己紹介が進むこの空間

新しいクラスということでまずは自己紹介をすることになったものの、クラスのほとんどは既に友達同士で固まって授業なんて関係なしに談笑している。中3までの2年間をほとんどゲームに費やしてきた生粋の陰キャである悠汰にとっては地獄の空間である。そんな中次は自分の番になった。

時間を掛けるのもめんどくさいのですぐに

教壇の上に立ち、薄っぺらな紹介を始めるが、大体の人は興味がなくなったのかすぐに友達同士で談笑を続ける。

(変な風に思われないのは助かるけどまともに聞いてくれないとやっぱ悲しいな。やっぱ一回の自己紹介で友達作れるほど人生イージーゲームではないか。)

そんなこんなで自己紹介が続き、ウトウトして寝ていたらいつの間にか授業が終わっていた。

その後の授業も塾である程度は予習していたのでずっと寝ていると、この日は4限授業だったのもあり、全ての授業が終わって下校の時間になった。

(もう授業終わり?ラッキー!早く帰ってゲームだ!)

帰りの用意をして急いで家に帰る。

ちなみに授業中ずっと寝ていたことからクラスの中でコアラというあだ名が付けられた。

幸いにも悠汰は顔が良く、寝顔が可愛いため悪い印象は持たれなかった。

          •

          •

          •

夕方になり日も傾き始めた時間帯

家に帰りすぐスマホを点け通話アプリを起動する。悠汰はゲームをしていても友達がいなくつまらなかったので、ゲーム仲間を作るため中1の頃から通話アプリを入れていた。そのためコミュ力は少し高い。まぁリアルでは全く活かせないのだが。

そしていつものメンバーが集まっている通話に入る。

{やっと来た〜!おかえり〜}

明るく可愛い声で話しかけてくる彼女のネット名は芽依。中学3年である。彼女曰く偽名と言っているがこの前親フラしてたときに親に芽依と言われてたことからおそらく本名である。いい名前なんだから隠さなくていいのに。

[おっ、まるじゃん。バトル記録見たけど朝十連勝してたじゃん。おめ〜]

大人しい声で話す彼の名前は坂間。中学2年生。とてもポシェモンが上手く悠汰が目指しているプレイヤーの一人。信頼できる友達である。

ちなみに「まる」は悠汰のネット名である。

「あれ?しんどりはいないんだ。」

{今日はまだ見てないよ〜。多分塾かな?。}

しんどりとは僕らのメンバーであるもう一人の人物。中学3年。めちゃくちゃ面白くて僕らのムードメーカーである。

悠汰はこのメンバーとポシェモンのチームを組んでいる。全員ゲーム中毒者だ。

「とりまポシェモンやりますか〜」


学校に行って帰ってネッ友とポシェモンをする。これが悠汰の楽しく幸せな2年間の日常である。


だが、次の日、この幸せな生活をたった一人の間違いでまるで無かったかのように一瞬で消えてしまう。



















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

失敗修正ゲーム @yume_mike

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ