ゲーム、アンド、セットマッチ

 全国大会当日。


 興奮で記憶がまばらだ。


 「何があっても、自分を貫いていけ。コートの中で、1番我儘になれ。それが出来れば、お前らが勝者だ」

 「…黎明れいめいッ!」

 「「「「ファイッオーッッ!!!」」」」


 「良いなぁ、センパイ達。私もあそこに立ちたいなぁ」

 「…そうだね、いとさん」


 「3R目、突破!凄い、ベスト8だよ、じゅんくん!」

 「うん、うん!凄いね、先輩たち!」


 「ゲーム、アンドセットマッチ。黎明高校」

 「シャァァァッ!!!!」

 「ベスト、4…。ほ、本当なんだ…!」

 「本当の事だよ、純くん。センパイ達が、掴み取ったんだ」


 「…入れ!」

 「あっ」

 「ゲームアンド、セットマッチ!」

 「「よっしゃーーっ!!!」」

 「入った、入った!け、決勝だぁ!」

 「った、やった…!これで、まだ…!」


 「はぁっ、はぁっ、…、っ」

 「お願い、優大ゆうだいセンパイ…!」

 「いけます、優大先輩…!」

 「ぅラァッ!」

 「フッ!」


 「…やっぱり、センパイは凄い」

 「凄いよ、本当に」


 「お願いします、耐えて…」

 「一本、れます…!」

 「ハァッッ!」

 「ぅ、ラァッ!」

 「「ッあ」」

 「ゲーム、アンド、セットマッチ!薄暮はくぼ高校!」

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