宝石オパールは語る_8 ~ピエロが一番~
色石ひかる
第1話 問題編
私は
宝石や鉱物を販売するミネラルショーにきた。最初にオーストラリア産オパール専門店へよった。店主の
「彩香ちゃん、今回も来てくれてうれしいです。思う存分ルースをみてください」
「すてきなルースとの出会いが楽しみよ。気になるところがあれば質問するね」
展示されている手前のルースから眺めた。今日もオパールを堪能できる。
ガラスケースにはブラックオパールやボルダーオパールなど、ほとんどがオーストラリア産のオパールだった。メキシコ産オパールと書かれているルースケースも、いつくか見受けられた。
最初はブラックオパールのルースを眺めた。色とりどりのルースが私の目をいやしてくれた。ガラスケースの上段中央には、豪華なルースケースがおいてある。
「レアルースみたいだけれど、あまりにも場違いな値段ね」
ラベルには目立つようにレアルースと書かれていて、1カラットで300万円以上と高額だった。大きさは10mmにも満たない楕円形状で、色とりどりの花が咲き乱れている印象を受けた。
上半身を動かして、ルースをいろいろな方向から眺めた。どの位置からでも色鮮やかな発色が目に飛び込んでくる。
「芽衣子さん、このルースを直接見ることは可能?」
高額ルースケースを指さしながら、おそるおそる聞いた。
「大丈夫です。今から取り出します」
芽衣子さんはルースケースを取り出して、トレイの上にルースをおいた。直接ルースをみると、いままで以上にかがやきのすごさを感じる。
赤色や青色、緑色から黄色までが領地のように分かれていて、それぞれの色が協調しながらかがやいていた。ルースを裏返すと、表とは対照的に真っ黒な闇夜を思い出す色合いだった。ルースの面を元に戻した。
高額品なルースなのは私でも理解できた。でもなにがレアルースかはルースを見ても分からない。
「ずっと見ていられるほどきれいなルースね。1本1本が異なる色の花束を見ているような感じで、かがやきもすごい」
「気に入ってくれてよかったです。なかなか買える値段ではないですが、ぞんぶんにルースを楽しんでください」
「これだけきれいなルースを眺められて、今日来た甲斐があった。でもレアルースと書かれている意味が分からない。どのようにめずらしいルースか知りたい」
芽衣子さんの発言をまった。
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