第17話 決戦②

加護を奪う。いや『捕食』の名の下食べたのか。

「腕が3本か、、、」

しかも、1本は不可視。だいぶ絶望的である。

「ごめんね。僕があいつに触れられちゃったばっかりに、、、」

とメイは謝る。吾輩は

「大丈夫。何とかしてみるさ」

と偉そうに言っているが意外と吾輩にも責任があったりする。あの時、吾輩が鬼との戦闘を飽きずにきっちりと仕留めておけばという責任が。

メイをその場に残し吾輩は鬼、、、ハンソンの元へ向かった。ハンソンは『神の手』も使い暴れている。

吾輩が近づくと鋭い目でこちらを睨む。良い殺意だ。

「ツギハ、、、オマエダ‼︎」

と吾輩の方へ突っ込んでくる。

『神の手』は、、、こない、鬼の腕のみ。吾輩は鬼の腕を避け顔に一発蹴りを入れる。しかし、仰け反りもしなかった。昨日より強くなっている。少し感心していると足を『神の手』で捕まれた。そして、吾輩を地面に叩きつけた。ほぼ全ての骨を持っていかれたがすぐに再生。吾輩を掴み力を吸い取り始めた。さらに鬼は、吾輩の頭を掴み力一杯捻った。ボキッ‼︎という音と共に首の骨が折れた。吾輩は

「前回の事を学習して吾輩の動きを止めようとするのはいいぞ」

と言いニヤリと笑った。鬼は驚き吾輩を手から落とした。

「しかし、やはりお前の『捕食』では吾輩の加護が喰えない事もわかった」

まぁ、これは昨日の段階で分かっていた事だが。

「オマエ、ホントウニ、ニンゲンカ?」

「お前にだけは言われたくないが、、、そうだな、一応人間だ。とだけ答えておこう」

ただ加護を2つ持っているってだけの。

「お前こそもう人間じゃないだろ?」

見た目、力全てが人外それに取り込んでいる加護もおそらく吾輩以上それを化け物と言わないで何という?吾輩の言葉を聞いた鬼は

「ソウダナ」

少し嬉しそうに答える。

というか吾輩は何故こんなにものんびりと話しているのだろう。と不思議に思っていると吾輩の体が一気に重くなった。

「『神の手』か?、、、いや違う。他の生徒たちの能力か」

さらに今まで出し惜しみをしていたかのように炎や雷の魔法、一時的に筋肉を増強する加護などを使ってきた。そして、ここで吾輩はある共通点に気がついた。そして、

「お前加護や魔法を何でもかんでも奪えるわけじゃないんだな」

と言う。こいつが吾輩にぶつけてきた魔法や加護、それに『神の手』は全て触れることができるものばかり。それに対し吾輩の『超回復』や『不老不死』は触れると言う概念が存在しない。つまり、加護や魔法そのものに触れなければ奪えないということ。

「ソレガ、ドウシタ」

と笑っている。確かにこれは弱点ではない。だがしかし、この鬼を攻略する方法となった。

「さて、反撃開始だ」

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