学習強制社会
狼男
第1話 現状
※この話はフィクションです。
2040年、日本は学習推奨社会へと変貌していた。
学力が下がるのを恐れた政府は全国共通テストなるものをすべての国民に受けさせることにした。
それは高得点が出にくいことで有名だった。言語と非言語で200点満点だが、どちらも最高点が140点、平均点が70 点のテストだ。
年に3回、強制的に受ける。社会人だろうが、小学校だろうが、その日は受験会場に行く。
「な~んで、テストが社会人になってもあるんだろうか?」
草野洋平は呟く。彼は26歳で不動産会社に勤めている。
「仕方ないっすよ。国の方針なんですから。」
阿久根大河が返してくる。彼の同期である。
「まあ、会社が一週間前からテスト勉強のため、休みになるのはありがてえんだけどな。笑笑」
草野は進学校出身だ。それゆえ、テストにも自信がある。
このテストは2035年くらいから国が導入し始めたのだ。
どうやら、国民の学力向上と人的資本に国が力を入れたいらしい。税金で賄われて行われる。
受験費用は無料だ。90分と90分合計180分ある。
テストを導入するメリットとしては中学受験をする子供だけでなく、大人も頭を使わせようとしているところだ。子供に勉強ばかりさせて親は勉強しないのか、成人も勉強させようという声が上がった。
学力が高い進学校は有利だ。一律の問題を解く。
成績表も出て、国民の上位1%に入れば、100万円が支給される。
英検やTOEICとかと同じで資格の対象にもなる。有効期限は5年間だ。
大人も勉強するが、やはり18歳の大学受験生
が有利だ。
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