第4話 覚悟

 あぁ、つい寝落ちしてしまった。

 

 俺が起きたときの音に刺激されたのか、彩とショウも起きる


「私寝ちゃってたわ」


「俺もだ」


 俺とショウは昨夜あんなことがあったせいで寝れていない、彩は多分今日一日いろいろとありすぎて疲れていたのだろう。


「疲れすぎだろうな、今日はもう寝るか?」


 俺は皆の体に気を遣い、そう言った。


「いや、俺は寝るわけにはいけない、まだ考えるべきことがあるし」


 しかし、ショウはそうはっきりと断言した


「まぁ、お前ならそう言うよな。」


「納得するまで付き合うよ。」


 俺と彩はわかっていたような口調で言った


「ありがとう、二人とも」

 

 多分俺らが寝ても、ショウは一人で考え続けるだろう、自分が疲れているのにクラスメイトのためにここまでできるとこがショウのすごいとこだ。

 しかし、こういう奴ほど頑張りすぎて、ある時、急にすべてがどうでもよくなって自殺してしまう人がいるということをニュースで見たことがある。

 ショウだけにはそうなって欲しくない、

 だから俺はショウ一人だけでは背負わすまいと心の底から思った。



 それから、明日、王に俺とショウで交渉しに行くって決まったところで、ショウが重い口調で言葉を発した


「ちょっと話それるけど、今日一日のことが夢に出てきたんだよ。

 それでさぁ、この世界には奴隷制度があって、日本では見たことないぐらいの差別を受けてる人たちがいて、貴族たちがその上でふんぞり返って豪華な暮らしをしている。そういう事を再認識した、、、

 それで俺思ったんだよ、このままでいいのか?って、

 なぁ、二人とも、この国はこのままでいいと思うか?」


 それは俺が今日のあの光景を見て思ったことだ。


「ダメに決まってるじゃん!何とか変えて見せる!」


 彩ははっきりとそう言い放った、彩もおんなじ考えだったのだろう。

 

 俺は二人の気持ちに触れ、今日考えていたことをを言葉にした


「スキルもあるし、国を乗っ取ってみないか?」

 

 二人は俺から発された言葉に驚きつつも、覚悟を決めたような表情でこっちを見ている。


 俺はその表情を見て続ける、俺自身も覚悟が決まったようだ


「どうせ王の操り人形になるぐらいなら、自由に生きる方に賭けてみようぜ、それで自分ららしく政治してやらねぇか?」


 俺は二人に自分の意思表示のように問いかけた。


 実際、今のままいっても結果的には同じようなことになっていたのだろう、しかし、言葉にして、目標として定めると気持ちが変わってくる


「いっちょやってやるか!」


「自由に生きれないなら死んだと同然だし!やってやろ!」


 俺らは三人でこぶしを合わせた。


 そのこぶしは音がなりそうなほど強く握られていた。



 第一章【転生と覚悟】   完


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