Chronostasis
クロノスタシス(Chronostasis)
①時計の針が一瞬だけ止まって見える現象
②???
五月の蝶は、楽しかった小学校時代を振り返っていた。
修学旅行や校外学習などの思い出を振り返っている最中、
不意に参観日を思い出した。
参観日では、各家庭の親が自分の子供の「名前の由来」を発表する。
その日に初めて母親から「蝶」という名前を由来を聞かされた。
「何か大きな世界へと羽ばたいてほしい」
「誰かを引っ張るような人になってほしい」
それが両親の思いだった。この言葉のせいだ。
だからいじめの事実なんか言える訳がなかった。
毎夜、心から
「時が止まってほしい、明日なんかこないでほしい」
そう願った。その時、一瞬だけ時計が止まった。願いが叶ったと思った。
ただ、また、無慈悲にも、時計は動く、明日が迫る。
その事実に絶望した。そして悲しんだ。
朝が来る。両親の前では元気なフリをする。学校へ行く。いじめられる。
実際、前よりもいじめは悪化した。ただ歩いているだけなのに、
「そこ邪魔、早くどいて」と言われたり、見られるだけでため息を疲れたりする。
そんな事が日常茶飯事だった。いじめが目に見えるえるようになった。
そして毎回苦しんだ。泣いた。笑顔が消えていった。
そして夜が来る。
蝶は今日も明日が来ないよう、世界に祈った。叶わないと分かっていながら。
クロノスタシス(Chronostasis)
①時計の針が一瞬だけ止まって見える現象
②Butterfly Effectにおいての蝶の祈りのこと
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