ギルドマスターの考え
ギルドマスターの部屋にて
金髪の偉丈夫が報告書を見て
『今日だけで暴行事件10件だと?それに、白髪の女装をした男に襲われたとはふざけているのか?しかし、軽傷4人、重傷6人しかも、かなり酷いやられ方をしてる。』
報告書を出した黒い服に深いフードをした男が答えた。
『ゼース様。我々もこの調査結果には、困惑しております。しかし、事実です。重傷の者達は集団で一方的に攻撃を受けたようです。』
ゼースは黒衣の男の話きいて分かっているというふうに、手を振りながら答えた。
『分かっている。お前たちの情報を疑っているわけではない。見た所、死人は出ていないようだが、集団で暴行を加えるとなると、放置らしておれん。』
『分かっております。』
『"決闘"やコロシアムでの"賭け試合"があるのだから、そちらに行けば良いものを。』
多くの種族がおり、文化の違いから諍いが起こる事は珍しくない上に、冒険者や戦士隊などの血の気が多い者が集まる区画なので、喧嘩や決闘などは珍しくはない。
特に決闘は法的拘束力も発生し、裁判の次に揉め事を解決する手法として使われている。
賭け試合はF〜Sランクに強さで分かれた戦士達が同ランクないでランダムに組み分けされて1対1で戦い、勝敗に賭ける。
かける額はランクが上がるほど高い。
この様な背景からこの街で犯罪としての暴力事件が起きることは極めて稀である。
なにせ、暴れたいのなら発散出来る場所があり、最低ランクでも勝った方には賞金がでるのだ。
それに、よほどの事がない限り試合中に死亡することも無い。
『冒険者たちにも動いてもらう。それで怪しい奴を炙り出せ。目星がついたら報告しろ。あとらクリュメノスを呼んでおく。』
『かしこまりました。』
『俺が出ても良いんだが、それだと"跡形も残らんからな。』
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