夜月 SS集

観音堂 紅葉

第1話 機械仕掛けの傀儡

紅い花弁が散った。

それはそれは美しい散り様であった。


「僕を置いていかないで」


叫びは誰にも届かない。

涙を流す振りをした。


死にたいと願って、体中が悲鳴を上げて尚、電子音が響き渡る。


器は直ぐに壊れてしまった。人間は脆い。


「左様なら」


なんで君は笑っているの。


「僕は永遠なのに」

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