第19話
俺は良いホテルに案内された。
「お前の荷物だ。パソコンとスマホも入っている」
黒服に段ボールを渡されて扉が閉められる。
そんな事より性欲がヤバイ。
カゲオ
レベル:25→35【アップ!】
ジョブ :ゾンビ→下級バンパイア【進化!】
スキル『ストレージ』『生活魔法』『鉄壁』『スタミナセーブ』『治癒力アップ』『全耐性』『オートヒーリング』『サーバント』『刀【NEW!】』『見切り【NEW!】』『飛行【NEW!】』『吸血【NEW!】』
見切り:回避・命中アップ・相手のスキルを見る事でスキルの習得効率が上昇する
吸血:血を吸う事で生命力を回復する・異性を吸血する事で対象に快楽を与える・代償として性欲とそれに伴う吸血衝動を発生させる
俺は強くなったがデメリットもある。
吸血スキルだ。
特に代償部分がヤバイ。
エロくなるとかそういうレベルではない。
発作のように吸血とエロの衝動が発生する。
吸血鬼の特性な為全耐性の効果も効かない。
解除する方法は分からない。
「カゲオ、段ボールと紙は置いとくね」
「はあ、はあ、あ、ああ」
「カゲオ、我慢するのは駄目だよ。発散すれば楽になるよ」
そう言ってホノカが服を脱いだ。
そして首筋を俺の口に近づけた。
「来て、その為に私がいるよ。私が慰めるから。助けてもらった、恩返しだよ」
俺はホノカを狂わせたい衝動に駆られた。
ホノカの首筋に噛みついて狂わせて、そのまま抱く衝動で狂いそうになる。
「我慢しないで。私も、されたいから」
抱きつかれた瞬間に俺の抑えが効かなくなる。
俺は、ホノカに噛みついた。
その瞬間にホノカが狂ったように声を上げて体を弓のようにしならせた。
◇
「はあ、はあ、また、カゲオに調教されちゃったね。もうカゲオを凄いのを知っちゃったよ」
ホノカがベッドの上で俺を抱いて笑顔を向ける。
「カゲオ、一日に1回はシヨ?そうしないとカゲオが狂っちゃうよ。私も、シテ貰わないともう駄目になちゃった。ダメな体になっちゃった」
「ホノカ、ありがとう。楽になった」
「シテ欲しいのは私も同じだよ」
「血を、吸い過ぎた。たくさん食べよう」
「うん、行こう」
部屋を出て食事に向かう。
「お待ちしておりました。カゲオ様とホノカ様はビップ対応となります」
「とりあえず適当に5人前分持って来て欲しい」
「かしこまりました」
ホノカはドレスを着て、俺はバンパイアスーツのような服を着た。
段ボールに入っていたのだ。
最初にドリンクが運ばれてきた。
ドロッとするチョコレートドリンクで、ホノカの飲み方がエロい。
吐息や口に付いたチョコをペロッと舐める動作の1つ1つがエロいし姿勢もエロい。
サキュバスの本能なのか?
貝やアボカドの入ったサラダ
カキにチーズが乗ってニンニク風味の効いたグラタンのような料理
ザクロや赤いフルーツがたくさん入ったデザート
そしてこれでもかとニンニクの香りがステーキ
そうか、ニンニクや日光のデメリットは無い。
やばいのは性欲だ。
「食べようよ」
「そうだな」
俺は食べながらホノカを見る。
本当に美人だ。
健康的で血色がよい。
姿勢が良いせいか体のメリハリが強調されている。
よく食べるけど食べ方や動きに品がある。
しばらく2人で過ごしつつネットをチェックした。
俺は掲示板でも動画でもネタにされていて、解析動画もアップされていた。
俺の口座には多額の金が入金されていてこのホテル代は国の予算から出ているらしい。
金が貯まる。
ホノカと過ごし、食事の途中で黒服が訪ねてきた。
「食後にお時間をお願いします」
「黒服なのにマッチョじゃないのか」
「ええ、私は主に調整役、マネージャーの様な者ですよ」
柔らかい物腰で戦闘系じゃなく交渉を行う係なのかもしれない。
俺とホノカの食事が終わるまで黒服は席を外した。
食事が終わると黒服の男が座って話を始めた。
「ここの居心地はどうですか?」
「とてもいい」
「そうですか、何か困りごとはありますか?出来る範囲で対応させていただきます」
「いやあ、特には無いかな」
「それは良かった」
そう言って黒服は笑顔を見せた。
「次は何?」
「はい、話が早くて助かります。実はダンジョンの1階にいるボス部屋が放置されています。そこを配信しながら倒して来て欲しいのです。私も詳しい事は知らされていませんが、その方が未来が良くなるそうで、お願いします!」
他の人でも倒そうと思えば倒せる。
わざわざ残しておく方が管理の手間がかかると思うがそれでも残しているのか。
「ボスを倒したら帰ってこられるのか?」
「はい、大丈夫です!そこはお約束させていただきます」
「帰ってきたらまたダンジョンに行く事になったりしないかな?」
「それは、正直に申し上げて、可能性はあります。ですが、前回のような長期間に渡る拘束の可能性は低いとの事です」
多分、本当の事を言っている。
黒服は誠実な人だと思う。
「分かった。行って来よう」
「では、早速着替えをお願いします部屋に装備の入ったケースが置いてあります」
「着替えてくる」
「よろしくお願いします」
部屋に戻るとアタッシュケースが置かれていた。
「これは、同じバンパイアのスーツか?いや、防御効果が付与されている」
背中には羽用の隙間があった。
長いケースを開けると刀が長くなっていた。
レベルが上がった俺用に合わせられている。
2人着替えて部屋を出ると男が待機していた。
「では、行きましょう」
俺達は黒い車に乗ってダンジョンに向かう。
「それと、注意点があります」
「注意点?」
「はい、バンパイアの性欲についての発言は控えて欲しいのです。スキャンダルが出ると国民の嫉妬を受けます。面倒を起こしたくはないのです」
「分かった」
「今日英雄法が改正されて選ばれた女性はカゲオ君に血を供給する義務が発生しました」
「それって、人権が」
「最も人権が奪われたのはカゲオ君です。トップの意向は『最大多数の最大幸福』です。その為ならばカゲオ君のハーレム程度些細な問題でしょう」
「嫌がっているのに無理やりするのは悪い気がする」
「大丈夫です。カゲオ君はイケメンです。そして、1度吸血してしまえばこちらのモノですよ」
そう言って黒服が笑った。
冗談なのか本気なのか分からない。
そして俺の、吸血特性を知っていて先周りをするように対策が打たれている。
これが、国の力か。
俺は、話が終わるとダンジョンの中に入った。
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