〈称号〉重視学園で陰となる

神坂蒼逐

ハジマリ

新時代の始まり

 2113年。平凡な世界はある種終わりを告げた。

 エベレストが聳え立つその麓で今まで合間見えたことがないような地響きが起こった。

 それが、この世界において初めての〈ダンジョン〉の生成だった。

 各国はこぞって〈ダンジョン〉の調査に乗り出し、そして絶望した。

 何百人の人間が突撃しようと、入れるのは一握りの人間のみなのだから。


 その中では他人の頭に謎の文字列が見えるという人間もついには現れ、そしてそれはダンジョンに入れる証である、〈称号〉と呼ばれた。

 だが、軍人の中には皆無と言えるほど〈称号〉を持つ人間はいなかった。米国、アジア等の大国の軍隊に至っては何万人ほどの人の中でさえ集めて数人の両手で事足りる程度の人しか集まらなかった。

 だからこそ、〈ダンジョン〉の調査をするためにも〈称号〉を持つ人間を育成するべきである、という風潮が現れた。

 そして平々凡々な生活を過ごしてきた私たちは、なぜか異界育成学校へと引き摺り込まれる。そんな物語である。

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