第12話

マリウポリの危機は着々と改善していた。

ウクライナ軍は遂にヘルソン市からメリトポリ奪還まで進み、クリミア大橋も海自により完全に破壊されていてウクライナ側の士気は大いに上がり戦争はウクライナ有利で進んでいた。



今度はドンバス地方もしくはドネツク、ルハンスク方面の戦況を見て行こう。



ロシア軍はバクムートをもう攻撃してバクムートは陥落の危機に陥っていたがウクライナ軍は反転攻勢用に温存していた部隊を一斉にドンバス地方で投入して一気にロシア軍を追い払った。



そしてウクライナ軍は現在ルハンスク州ではリシンスク、セベロドネツクの奪還作戦を、ドネツク州ではバクムートからの援軍と元々の奪還前線により14個の集落を奪還していた。未だ重要都市の奪還はあまりロシア軍の補給が楽で基盤がある程度しっかりしている東部では出来ていないが少しずつ追い詰めて2014年以前の国境線に戻せるだろうと思われる状態だ。



また長きの渡りバクムートを守っていた部隊は現在は後方に下がって休憩中だ。そこで再編をして再び戦場に投入する予定だ。




そしてロシア軍はウクライナ軍の予想外の反転攻勢に入り焦りまくりで一部の部隊はウクライナ軍が迫ってくると武器弾薬を置いて逃げ散る有様だ。また奪還したところには尋問の跡がついた人の死体やビール缶などがあちこちに転がっていた。また略奪されたとどうみてもそれ以外は思いつかないような酷い状態の家なども多くあった。このようなのは戦争犯罪の一種でこのままいくと世界中でロシアはテロ国家認定とどんどん他の国から見限られていく状態に繋がっていた。ロシアを公に支援しているのはイランと北朝鮮のみであの中国でさえも今まではロシア側の中立だったが現在はロシアを見限り始め、ウクライナ側の中立に変わっている有様だ。ロシアはただただ戦争を続けることによって敵を増やしているだけだった。それに対してウクライナは日本という強力なパートナーがいて、国際的な支持も勝ち取り、アメリカも間接的にとはいえど日本に海軍をさらに防衛のために送って海自をウクライナに来させることによって実際に自身の兵力を使い始めていた。




このペースでウクライナ軍の反転攻勢が進むとロシア軍到着には間に合わないだろうが南のヘルソンから来た兵2万余りがマリウポリにかなり早く到達してウクライナ軍と海自となれば協力によってロシア軍を追い出せそうな方向に風向きが変わっていた。



ロシアのプーチン大統領はかなりこの状況に焦っているであろうと簡単に予測できた。







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