A week with you.

みなほし

0日目

「私と付き合ってほしい」



「……………え?」


 長年一緒にいた幼なじみから告げられた言葉は、わたしにとってはとても想定外だった。





 ✧ ✧ ✧





 わたしは花奈かな。そして今わたしに告白してきたのは咲都さと。わたしと咲都は生まれてからずっと今まで離れたことの無いような幼なじみだ。

 もともと親同士の仲が良かったのもあり、たびたび家族ぐるみで旅行などしていたけれど…

 まさかそこに恋愛感情があるなんて思いもしないでしょ!!??久々に遊ぼうって言ってきてくれたのは嬉しいけどこれは想定外!!確かにあのこあんなにかわいいのになんで彼氏いないんだろう?って思ったりしたけどわたし??え、わたし????ほっぺつねってみるか。痛!!!夢じゃない!!


 と、わたしが慌てふためいていると咲都が言った。

「突然だから驚いちゃうのも無理ないよねぇ。私だって最初は信じなかったもん。これは友情の先延ばしだって」

「え………ほんとにわたしが好きなの?ドッキリとかじゃなくて?本気で?」

 思わず聞いてしまった。すると、

「本気だよ。ドッキリでもないし冗談でもない。花奈ならわかるでしょ?」

 そう言う咲都の目はとても曇りがなく嘘をついているようには見えなくて。あぁ、これは嘘でもドッキリでもないんだと思い知る。でもやっぱりどうして咲都がわたしを…?

 ちょっと落ち着いたけどやっぱりまだ頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだ。



「で結局、花奈は私と付き合ってくれるの?」

 考え込んでいると咲都が答えを急かしてきた。

「うーーーーーん、ちょっと時間くれる?いくら咲都でも考える時間が必要、かも」

 わたしは咲都から目を逸らし、気まずそうに下を向きながら言った。


「どのくらい必要?」

「うーーーーん…1週間、は必要かな」

 わたしがそう言うと咲都はにっこりと笑って言った。

「じゃあ、その1週間は私と一緒に過ごそっか!」

 え?

「え?なんで?別にだめではないけど…」

 わたしがしどろもどろになりながら言うと、咲都はグッと親指を立てながら

「その1週間で、確実に私にメロメロになってもらおうと思ってね!OK?」

 と、昔から変わらない強気な口調で言った。

 わたしは考え込む。すると、

「あれれ?もしかして花奈ちゃんは私に惚れちゃうのが悔しいのかな〜〜?まあ花奈ちゃんを惚れさせるくらい私には余裕だからそんなに気ぃ張らなくていいよ?」

 とニマニマしながら言ってくる。全く咲都はほんとに…




 ほんとに…




「いいわよ!!!受けて立つわ!!」


 ほんとにわたしの負けず嫌いな性格をよく分かってらっしゃるよ………


「じゃあ、決まりね。今日からうちで1週間過ごしてもらうから♪花奈、覚悟しておくことね〜」

「もちろん!わたしを惚れされようなんて咲都には10万年はやいのよ!」




 ────こうしてわたしたちの同居(咲都は同棲と言った)生活が始まった。



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