『地下の雑談』

やましん(テンパー)

『地下の雑談』

 あるばん、ねこママの店のカウンターに、ぼんやりと座っていたら、左側に、たぬきさん、右側に、きつねさんがやってきたのです。


 『やましんさん、こんばんわぽん。ぼくは、親人類派たぬきの、タヌキ・イリイチ・サケヤンスキ・ノブタダです。彼女は、同じく、親人類派きつねの、キツネン・アゲスカヤ・ハルコ・マリヤ・キツネンツキナ・マヤコです。ぼくは、ノブタダ、彼女は、マヤコと、呼んでください。ぽん。』


 『こんばわ、おはつにお目にかかりやんす、こん。』


 『あ、ども。』


 ねこママは、みんなに、ぼくの冷蔵庫にあったはずの、ぱっくミルクを出しました。


 ははあ、ママが謀ったかな、と、思いました。


 『最近、我々の中の過激派が、人類との最終決戦を行うといって、戦争の準備をしてます、ぽん。』


 ノブタダが言います。


 『きつね属も、共同しでますのやで、こん。』


 マヤコが、付け加えました。


 ママが、小さなしゃれた、つけだしの小皿を出しました。


 中身は、言うまでもなく、ぼくの冷蔵庫にあったはずの、佃煮です。


 『しかし、やましんさんは、お分かりですが、甘く見てはダメですぽん。ごき軍団が、核兵器を所有するくらいですから、我々たぬき属と、きつね属は、対人類強力生物化学兵器を共同開発して、すでに実戦用意しています。もしも、使用されたら、全人類は、一週間で、絶命します。』


 『みんな、助かりまへんのどすえ、こん。』


 『はあ。』


 『もちろん、穏健派や、我々のような、親人類派は、そのような暴挙には、反対です。反対ですが、最近、過激派が力を付けてきていて、全たぬき議会や、地球きつね会議でも、議席を増やしておりまぽん。』


 『あなどれませんのやで、こん。』


 『さらに、連中は、親人類派に対して、親人類なら、はやく、その証拠を出せぽん、と、主張します、ぽん。』


 『きつね属も、おんなじや、こん。』


 『そこで、ぜひ、やましんさんに、我々の集会の時、講演に来てほしいぽん。』


 『もっと、有名人が良いのでは?』


 『いえ、あんたはんみたいな、名もない、役にも立たんくらいの人が良ろしいのやで。』


 『はあ。』


 『いっておあげよ、やましんさん。にゃ。』


 ねこママが、後押ししました。



 その時でした。

 

 ぼくの、スマホが、叫んだのです。


 『政府から、空襲警報でふ、核ミサイルが着弾します。核ミサイルが、着弾します。できるだけ、より、安全な体制をとってください。以上。幸運を祈ります。』


 『あらあ、ぽん。』


 『おしまい、こん。』



      ずどん!





           くまくま 🐻


 


 


 

 

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『地下の雑談』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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