第2話みんないっしょがいい?

みんなと同じ 変わり悪魔六柱シリーズ


とある町にショウタという男の子が

住んでいました


ショウタのパパは、休みには

いつも、御正月でもないのに

凧を上げます。


パパは「凧は風を味方にし、流されずに

上がるんだよ。」と、いつも同じ話をします。


パパは、つまらない人。

こんな大人には、なりたくない。

そうショウタは思っています。


ショウタはとにかく周りに合わせ

友達づくりする子でした。嫌な事からは逃げる

癖もありました。

今は小学4年生。周りに合わせる事にも

疲れてきていました。

学校は気を使うから嫌でした。


ある日周りに合わせないで

友達が出来るか試しました。

結果は、変な目で見られ

さんざんな日になりました。


その日から学校が、とても嫌になりました。


ショウタは

みんなボクと同じになれば楽なのに。

そう思いながらベッドに入りました。

その夜は不思議な夢を見ました。

緑の煙とともに、3匹のネコが現れました。

3匹とも同じ顔をしています。


え!と、ショウタが思った時でした。

3匹のネコは同じ声、同じタイミングで話し出しました。

「きみは、みんなが自分と同じようになればいいと思っているね。同じなら君は幸せかい?」

ショウタは

「そりゃそうだよ!同じなら気が楽だし、何をしても楽しいに決まってるよ!」

3匹のネコは、それを聞いて嬉しそうです

「では君の願いを叶えてあげよう。ただし、君が少しでも嫌になったら、君の心をもらうけど、いいかい?」

ショウタは大喜び。

「やろう、やろう!お願い!」


3匹のネコから緑の煙がでて、ショウタをつつみます。そのごに目覚めたら朝になっていました。


夢をショウタは覚えています。

学校が楽しみ。

クラスのドアを開けたら

なんとみんなショウタの顔。

話すことも同じような事。

でもまだショウタは満足です。

気を使わないし、周りはボクだから

とても楽チン。


体育の時間にも、みんなショウタなので

同点。

テストも、みんな同点。

勉強もしなくて、一位もない、ビリもいない。

ショウタは

これこそボクが望んだ事。

みんな幸せ。そう思っていました。


この世界では、大人もショウタなので

車の運転手さんもショウタです。

学校のお迎えバスの運転手さんもショウタ。

「あ、バスが来た!」

と、思った瞬間でした。


バスが止まらず、ショウタを跳ねました。


ショウタは痛い、痛い、痛い。

誰か助けてと叫んでも、嫌な事から逃げる癖は

みんなも同じです。誰もショウタを助けてくれません。意識が薄れて行く中でショウタは

「みんな違うから良かったんだ。

みんな違うからみんな頑張っていたし

みんな違うから楽しかったし

みんな違うからボクは、ありのままで良かったし

みんな違うから助け合えたんだ。

パパがいつも凧は上げていたのは、向風で凧は上がる。それは、違う風だから人は進むから、みなと同じ風向きの付き合いはしなくて良いというメッセージだった事に気づきました。」


心から自分がしたことに後悔した瞬間。


3匹のネコが現れました。

「どうだい?みんな君の世界は?つまらない世界だよね。みんな違うから楽しい。君だって周りに合わせる必要なんて無かったんだ。でも約束は約束。

元の世界に戻す変わりに君の心をもらうよ。」


ショウタの周りを、また緑の煙がつつみます。


そこから朝に逆戻りしていました。


パパには朝から「凧あげの理由がわかったよ!」

と話して

学校に。


学校では、もう無理に周りに合わせるショウタは

いません。色々な人がいるから面白い事を知ったからです。周りに合わせなくても、ありのままのショウタの友達でいてくれる友達は本当の友達だという事にも気づけました。


同じ風向き同じ人ばかりなら凧は自分は

流され上がらない。


凧は違う風向きで上がる。逆向きだから逃げずに

逆向きの風を味方にする。

ショウタからは逃げる癖もなくなりました。


みんな違う

ボクも、みんなから見たら違う。

でも違うから、ボクは高く上がれる。

ショウタは、その後自分らしく

生きる事になり大人になり

色々なショウタだけの考えを

人々に聞いてもらい、周りをも上がらせる

愛される一生を歩みました。


ん?3匹のネコちゃんが、ショウタから取った心は

何かって?

みんなが自分と同じになれという心さ。

みんなは自分らしく生きられてる?

みんなと違ってもいいんだよ。

違った自分は世界で一つ。

みんな違うから、みんなどこか欠けているから

みんな協力や助け合いできるんだね。


おしまい

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