第34話 決勝トーナメントスタートとステータス
俺達は予選を順当に勝ち上がり、ネイリスは2戦、俺とメイヤは4戦、ハーニャとタニスは3戦した。
幸い予選は強い相手に当たらず、実力を伏せる事が出来た。
それどころか、意図的に俺がピンチに見える場面を作り、何とか勝ち上がった感を演出する余裕まであった。
ただ、タニスはやたらと絡まれ、貴族を名乗る奴から妾になれと言われ辟易としていた事が唯一のトラブル?程度だった。
決勝トーナメントに出られるのは各武器ごとに8人だ。
俺達は出ていないが、他には斧、棍(杖)、それとメイス(棍棒を含む)等刃の付いていない鈍器武器一般だ。
つまり剣と槍の予選には65人以上127人以下が出場していた。
最後に行われる個人総合は、この武器別部門で決勝トーナメントの8人に残っている事が条件だ。
なので最大64人だ。
基本的に団体戦に出るパーティーを配慮され、個人総合に出るのが4人までの場合、少なくともブロック分けされ決勝トーナメントまで当たらない。
つまり強い所はパーティーで1位から4位まで独占可能だ。
しかし、俺達は5人目となるネイリスも突破し、個人総合に申し込んでいた。
ハーニャは弓だが、弓部門は特殊で、投げ武器一般とされている。
魔法攻撃禁止ではハーニャが1番残れないだろうと言い出し、ブロック分けされる4人から外れる事になった。
まあ、流石に独占は厳しいだろう。
ネイリスの場合はナイフ使いは少なく、対戦相手に恵まれたかもだからな。
今日は2日間に渡り行われた予選を突破した者達による、武器別個人戦の決勝トーナメント開始だ。
今日は追放から30日が経過していた。
ネイリスには俺のギフトでレベル上げがある事を話している。
今朝の段階のステータス
セルカッツ
レベル 33★
ギフト 【光】
隠しギフト【女神の祝福】
スキル
【ライト】
【剣聖 10】★
【気配察知 8】★
【格闘術 10】
【詠唱破棄】★
【身体能力向上 4】★
隠れスキル
【レベルアップ 10】
【ジョブチェンジ】
名前 セルカッツ
年齢 14歳
職業 冒険者
ジョブ 剣術マスター
セカンドジョブ 聖賢
俺にもレベル30で身体能力向上と詠唱破棄が生えた。
メイヤ
レベル 32★
ギフト 【槍姫】
スキル
【身体能力向上 7】
【槍聖 10】★
【縮地 3】★
【格闘術 10】
名前 メイヤ
年齢 14歳
職業 初級冒険者
ジョブ 槍マスター
セカンドジョブ 初級魔法使い ★
タニス
レベル 31★
ギフト 【草】
スキル
【鑑定 5】
【両手剣 10】
【格闘術 10】
【中級水魔法】
【詠唱破棄】
【初級精霊術】
名前 タニス
年齢 14歳
職業 初級冒険者
ジョブ 中級魔法使い
セカンドジョブ 精霊使い★
セカンドジョブが生え、謎の精霊使いになったが、ギフトの草は自然や精霊関連の親和性の高いギフトのようだ?
ハーニャ
レベル 30★
ギフト 【交渉者】
スキル
【真言 10】
【弓聖 1】★
【格闘術 10】
名前 ハーニャ
年齢 14歳
職業 初級冒険者
ジョブ 弓使い
セカンドジョブ 初級魔法使い★
ハーニャもセカンドジョブが生えた。
ネイリス
レベル 11★
ギフト 【探求者】
スキル
【索敵 6】★
【ナイフマスター 1】★
【投擲術 1】★
【格闘術 6】★
名前 ネイリス
年齢 14歳
職業 初級冒険者
ジョブ レンジャー
ネイリスのジョブは喉から手が出るほど欲しかったレンジャーだった!
いつの間にか投擲術が生えたが、探求者の方で増えたのか練習したからか良くわからない。
公平を期す為、各種目共1試合目は4戦同時に開始だ。
それは休憩時間の長さからクレームが出るのを避ける為だ。
槍から始まり剣が最後で、最初と最後に花形を持ってくる形だ。
前日と打って変わり、競技場の間仕切りが4分割に変わっている。
そしてここからが賭けの始まりだ。決勝戦は翌日なので、また明日になるが2日間通しの優勝者当てが花形だ。
各種目の決勝トーナメントが行われる30分程前までで賭けは締め切られる。
いよいよメイヤの番だ。
「さてさて、新人武闘大会も決勝トーナメントの開始でぇ御座います!皆様勝者の応援【賭け】は済みましたかぁ!まだの方はぁお急ぎくださぁぃ!間もなく次のメイス部門が締め切られますぅ!それでは各リングの選手を紹介して参りまああすう!・・・」
司会が1人ずつ名前と出身国や冒険者なら所属パーティー名を告げ、選手は、観客に向かってお辞儀をする。
いつの間にかタニスの発案でメイヤ、ハーニャ、タニスの3人は色違いのミニスカートの冒険服を買っていた。
左腕には日の丸が描かれている。
俺がよく日の丸を口にしていたからな?
そしてメイヤの対戦相手はどこぞの騎士団所属の騎士見習いだ。
司会が開始を告げるもメイヤは観客の多さに圧倒され、場の雰囲気に飲まれてしまった。
呆然となり立ち竦んでいたんだ。
「騎士の1撃を受け止めてみよ!ここは女が来る場所ではない!帰って主人に尻を振っていろ!男によがっているのがお似合いだぁ!」
心の準備がととのっていないメイヤに騎士見習いは容赦なく槍を繰り出す。
反応が少し遅れたメイヤは辛うじて反応するが、あっさりと槍を絡め取られメイヤの槍は宙を舞う。
誰もが終わったなと思っただろうが、メイヤは距離を詰めてパンチラが見えるのもお構いなしに回し蹴りを繰り出す。
騎士見習いは仰け反って避けようとするも面に足の先が当たると面は弾き飛ばされ、地面を転がった。
そしてメイヤは相手が手放してしまった槍を拾い、その首筋に槍の先を押し付けて結着した。
「こ、これは何かの間違いだ!もう1度、もう1回やらせてくれ!いや、やりの競技なのに蹴りとは反則だ!次こそは!・・・」
勿論次はない。
「勝者、氷艶の魔眼所属メイヤぁぁぁ!」
メイヤは最初こそ雰囲気に飲まれてしまったが、そこからは呆気なかったな。
いや、相手が弱かったのか?
この哀れな騎士見習いはお付きの先輩から文句を言われていた。
「ルール通りだったぞ。見苦しいからやめろ!足と片手での直接攻撃は認められているんだぞ!帰ったら修行のやり直しだ!ほら、礼をするんだ・・・」
うわっ・・・泣いているよ・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます