(二)-12
湊梨子らが現場を立ち去った後も、三人のデバガメ男子生徒たちは、しばらくその場にいた。
その結果、三人は驚くべき光景を目にすることなった。なんと湊梨子が戻ってきたのだ。しかも練習着姿のサッカー部員の手を引きながら。そしてその二人は、さっきと同じ位置に向かい合って立った。
梨子に連れてきたサッカー部員をよく見てみると、それは浜野広太郎であった。三人組の一人が同じクラスであったことから判明した。
浜野広太郎は外部入試組で高校から入学した生徒だった。体操着ではなく、サッカー部の練習着を着ていたので、中学でもサッカーをやっていたのだろう。となると、きっとサッカーもそれなりに上手いに違いない。内部進学組でバスケ部の湊梨子が、この「勇者ゲーム」のために連れてきた相手というのがヤツだとしたら、スポーツマン同士で惹かれ合う何かがあるのだろう。そんな悪い予感が、梨子派の三人の頭の中をよぎった。
(続く)
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