少年少女の地球防衛戦記

MrR

数ヶ月後

 Side 木里 翔太郎


 人類の天敵、マシ―ネンが襲来してから数か月。


 戦況は膠着状態が続いていた。


 俺はパワーローダー、零戦二型を身に纏い、小学校高学年ぐらいの背丈の少女、手毬 サエはネイキッドローダー(メカ娘のように頭部や二の腕、太ももや腹部が露出している)、桜花を身に纏い、竹宮高校を拠点として前線で戦い続けていた。


 マシ―ネンの発生は不定期であり、出現場所もランダムである。


 更にはSF兵器染みた武装をしていて大型の個体になると巨大な生物を模したロボット兵器となる。


 学者によると一種の機械生命体ではないかと推測しているがハッキリしていない。


 嘗ての仲間達はそれぞれの母校を中心に戦い続けている。


 日本の自衛隊は――アテには出来ない。


 と言うのも世界大戦で戦力がギリギリなのだ。

 それに内乱も発生していると言う。

 追い打ちをかけるようにマシ―ネンの襲来。

 

 だからこうして少年少女――本来なら学校生活を送っている高校生までもを兵力として扱わなければならないのであった。


 前大戦の英雄だった俺達はそれを促進させるための広告塔としての側面もある。


 これはもう善悪でどうこう判断する次元を超えている。


 なにしろ相手は人間ではなく、意思疎通が出来ない化け物なのだ。


 自分に出来る事と言えば今のところ、未来のために少しでも多くマシ―ネンを倒す事ぐらいだろうか。



【昼・竹宮高校担当戦闘区域】


 今回のマシ―ネンは小型種。

 戦闘機を模したタイプや陸戦兵器を模したタイプが主力だった。

 光学兵器を搭載しているし数も多いので油断は出来ないが。

 

 俺とサエは次々と敵を撃墜していく。


 俺は零戦二型の身軽さを活かして縦横無尽に戦場を駆け回り、手のビームライフルで着実に敵の数を減らす。

 

 サエは背中のフライトユニットで飛び回り、手に持ったビームライフルで撃墜していった。


 これぐらいの芸当は前大戦――人間相手に戦っていた第三次世界大戦の頃から慣れっこである。

 他のチームも順調に敵を殲滅して行っている。

 この分だと今回は楽に戦いは終わりそうだ。


 

 =昼・竹宮高校・格納庫=


 すっかり軍事基地化してしまった竹宮高校。

 格納庫で待機していた整備班にパワーローダーを預ける。


「凄いですね。あの数をあっと言う間に――流石エースですね」


「エースねぇ……」


「そうですよ。木里さん達は俺達の希望です」


「そ、そう?」


 俺とサエ、日本の希望として宣伝されている。

 他にも竹宮高校では牛島 ミク、和泉 ツカサ、相川 タツヤ、豊穣院 ミホなどが救世主として宣伝されている。


 比良坂市や大阪日本橋の人達もそんな感じらしい。


 そうして士気を維持し、今日まで日本はマシ―ネン相手に戦えているのだ。

 

 これが効果的だったのか、10代の志願者が増えているそうだが――喜んでいいのか悲しむべきなのか正直分からなかった。


「ともかくゆっくり休んでください」


「ああ――」


 お言葉に甘えて休むことにした。



 =昼・竹宮高校、図書室=


 まだ戦争を知らなかった時代。

 俺やサエは仲間達とともにここで主に創作活動をしていた。

 

 その頃の事を懐かしむように俺達は何時ものメンバーで創作活動を行う。

 時にはアニメとか漫画とかラノベを見て批評したりもする。


 それが今の俺達にとって至福の時間だった。

 

 願わくばこう言う時間が永遠に続いて欲しいものだ――

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