第20首 元良親王 (後撰集)

わびぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ


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あなたにお逢いできなくて) このように思いわびて暮らしていると、今はもう身を捨てたのと同じことです。いっそのこと、あの難波のみおつくしのように、この身を捨ててもお会いしたいと思っています。


(出典:百人一首.com)

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全てを捨てて。

貴方の愛に尽くそうと。


私は、そう、思ったのです。


なのに。

窓辺にたたずむ私は。


降りしきる雨を眺めながら。

何も、せず。


ただ。

ただ。


雨に霞む風景を。

眺めるしか、できませんでした。


どうか。

お幸せに。


そして。

さようなら。


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元良親王(もとよししんのう)は、平安時代前期から中期にかけての皇族・歌人。

父・陽成天皇の譲位後に生まれる。

色好みの風流人として知られ『大和物語』や『今昔物語集』に逸話が残るが、特に宇多院妃の藤原褒子との恋愛が知られる。また、よく通る美しい声をしており、元日の奏賀の声は非常にすばらしく、大極殿から鳥羽の作道までその声が聞こえたという。

※ウイキペディア フリー百科事典より




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