人喰いの怪物(?)ミナコロの日常

おーるぼん

序章

ここは魔物や魔法が存在する、現実とは違う世界。


その何処かにある『帰らずの森』にはとある一匹の恐ろしい魔物が住んでいました。


その魔物の名はミナコロと言います。


ミナコロは森の木々を下に見る程の巨体を持ち、身体は植物に覆われていて、その肉体と植物の間には沢山の武具が絡まり付いているのです。


それは彼が今まで倒してきた人間達の遺物なのでした。所有者を亡くした彼等はミナコロの一部となり、最早がしゃがしゃと音をたてるだけの駄楽器と成り果てています。


そう、この森で沢山の人間を殺し、喰らい、森を『帰らずの森』と人々に言わしめているのはこのミナコロなのです。


そんなミナコロは、今日も獲物を探して森を歩き続けます。


さて、次に彼の胃袋へと収まる、哀れで愚かな来訪者は誰なのでしょうか?


皆様もどうか宜しければ、静寂ばかりが幅を利かせるこの森で唯一の娯楽である彼の日常を、私共と一緒に楽しんで頂けたら幸いです……

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