さんにんよれば……コイバナだよね？

プロローグ

　空はまるで鉛を含んだかのような真っ黒な雲に覆われていたかと思うと、あっという間に、猫や犬が降るくらいの強い雨が降り出した。はじめは遠くで聞こえていた雷鳴も少しずつ、音と光を大きくしながら近づいてくる。

　ここは、聖ベリル女子中高等学校　旧校舎のある教室。

　かれこれ五十年前に建てられた旧校舎にあるこの教室は、さっき落ちた雷のせいで停電となり、真っ暗。窓には、たたきつけるように雨が激しくぶつり、ガタガタと大きな音をたてて震えている。

　ピカッ―――

　一瞬、カメラのフラッシュのような光が空中で光り、三人の女子生徒の姿が浮かび上がった。

「緊急会議を始める！！」

　緊張の色を隠せない声で机をたたいたのは未松美麗（みまつみれい）。

少し吊り上がった目の少女は、暗闇の中、高らかに宣言したのだった――――。