第13話
次の日の朝のことであった。
あいつとひどい大ゲンカをしたアタシは、ボストンバックに着替えとメイク道具を詰め込んで荷造りをした後、ボストンバックと赤茶色のバッグを持って家出した。
会社をやめたあいつは、ハローワークへ行って仕事を探すことにした。
あいつの家をすてたアタシは、福山市東桜町にあるマンスリーアパートへ移った。
アタシは、あいつの家とリエンすることを前提にひとり暮らしを始めた。
神辺のフジグランのバイトはやめた。
セブンイレブンのバイトは、店主のむすめむこさんが桜馬場町でフランチャイズ経営をしていたので、そこへ移って働くことにした。
夕方5時から夜10時までセブンイレブンでバイト…
深夜11時から翌朝6時までは福山市内のデリヘル店で働く…
…の昼夜逆転の暮らしに変わった。
片やあいつは、
この時、家庭は極めて危険な状態におちいった。
二人が家出したと言うのに、義父母はさらに無関心の度合いを高めた。
しかし、義父母は『けいすけは、うちの
あいつとアタシが離婚したことについても『あっそう…離婚したかったらしなさいよ…うちはもう嫁なんか必要ないから…』と言うて突き放した。
今の義父母は、
義父母は、ものすごくはぐいたらしいわねぇ!!
デキアイされた
そうしたことが原因で、家庭が大規模な崩壊を起こす一歩手前におちいった。
あいつがやめた会社の人で現場主任の
アタシがバイトをしている桜馬場町のセブンイレブンにて…
アタシは、ゴミ箱を整理しながら
「あのね
アタシが言うた言葉に対して、
「としこさん、あいつがとしこさんに暴力をふるったことについては、私が全責任を負います…あいつは苦しんでいるのだよぉ…あいつを助けてくれよぉ…」
「よくもアタシを冒とくしたわね!!」
「冒とくしていません…」
「はぐいたらしいわねダンソンジョヒ魔!!」
「ぼくはダンソンジョヒ魔ではありません…」
「ふざけるな!!あんたはDV魔のクソッタレをヨウゴしたから呪うわよ!!」
「とし子さん、あいつがとし子に暴力をふるったことについては、ぼくが代わりにあやまります…許してください…この通りです…」
アタシは、冷めた声で
「あやまると言うのであれば、本人をここへ連れて来なさいよ!!」
「分かってます…だけど、本人は体調を崩していて…」
「病気を理由に逃げるなんてヒキョウよ!!」
「とし子さん、それじゃあどうすれば許してもらえるのですか?」
「命でつぐなうのよ!!」
「それって、ぼくに死ねと言うのですか!?」
「その通りよ!!」
「困ります…」
「帰んなさいよ!!帰らないとアタシの知人に電話するわよ!!」
「知人って…」
「アタシの知人は格闘家よ!!知人の知人のそのまた知人にヤクザがいるのよ…今治のヤクザ組織の組長の耳にダンナがアタシに暴力をふるったことが入ったら、あんたの会社はダンプカーでぺちゃんこにつぶれるわよ!!」
「困ります…」
「ほんなら帰れ!!」
あいつがDV魔になった原因を作ったのは義父母よ…
義父母があいつを過度に甘やかしていたからダンナがDV魔になったのよ…
なにが『私たち両親は一生懸命になって育児をしました。』よ…
きれいごとばかりほざくな…
けど、病気を理由に逃げようなんてそうはさせないわよ!!
ところ変わって、店舗の奥の部屋にて…
アタシは、洗面台の流しにためた水の中に顔をつけていた。
(ブクブクブクブクブクブクブクブクブクブク…バシャーン!!)
アタシが流しから顔を出した時、鏡に水滴が思い切り飛び散った。
鏡に写っているアタシの顔は、髪の毛がただれて目が真っ赤に染まっていた。
アタシは、肩で荒い息づかいをしていた。
何なのよ一体…
DV男をどうやって許すのよ!?
許してもらえないのであれば死になさいよ…
こうなったら…
あいつの家の親類縁者全員をひとりずつのろい殺すしかないわ…
このままでは…
アタシは、あいつの家の親類縁者たちに殺されてしまう!!
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