第6話

それは過去の話


かつて洋館の主人は一度だけ負けたことがあった。


俺はクイズが好きなただの平凡な高校生である。


俺はあの出来事だけは何があっても忘れないだろう。




ここはどこにでもある田舎町だ。

俺は放課後クラスメイトとするクイズ対決が唯一の楽しみだ。

いつものようにクイズ対決をしていると俺の携帯電話が鳴った。

俺は誰だ?と思い画面を見ると母親からだった。

俺は電話にでた。


「今すぐ帰ってきて、父さんが事故にあった」


「?」


俺は一瞬理解できなかったがすぐに頭が追いついてきた。


「父さんは大丈夫なのか?」


俺は聞き返す。


「分からない、病院に運ばれたって」


「分かった」


俺はすぐに荷物を持ち教室を飛び出した。


家まで全力疾走した。


家に着くと妹が泣いていて母親はタクシーを呼んでいた。


「親父は?」


「分からない」


俺たちはすぐにタクシーに乗り込む。


「病院まで」


俺はタクシーの中でまだ着かないのかと焦っていた。


ようやく病院に着くと母親が受付に向った。


母親が俺たちのとこへ戻ってきた。


「今手術中だって」


「助かるのか?」


「分からないけどもうすぐ手術終わるって」


俺たちは手術室まで急いだ。


手術室の前で待っていると手術室の扉が開いた。


「先生父さんは?」


「手を尽くしたのですが」


俺はその場で放心してしまった。

妹と母親は泣き崩れている。

俺は妹と母親をみて我にかえる。


俺がしっかりしなきゃと思い妹と母親を椅子に座らせ何か飲み物を買ってくることにした。


俺が戻ると葬儀屋がきていた。

母親に話かけていたが母親は泣いていて話せる状態ではなかった。

今度は俺に葬儀屋は話かけてきた。


霊柩車の手配

葬儀はどのランクにするか


俺はよく分からなかったので葬儀屋が勧めるので決めてしまった。


数日後葬儀が無事に終わった。


俺はいつまでも落ち込んでいられなかった。

家のローン

学費

お金は幾らあっても足りない。


保険金で支払えるのかも分からない。


俺はバイトを探したがなにせ田舎町だ。

みつからない。


俺はクラスメイトに良いバイトがないか聞いてみた。

そこで俺はある噂を聞いた。


洋館の主人とゲームをして勝てば好きな額の金が貰えるらしいと。

俺はすぐにそういう書き込みがないか調べた。


ようやくみつけ俺はすぐに書き込みをした。




俺は電車に乗り洋館の最寄り駅まできていた。

そこには迎えの車がきていて俺はすぐに乗り込んだ。



洋館に着くと主人らしき人が出迎えに立っていた。


「アンタがここの主人か?」


「はいそうでございます」


「すぐにゲームを始めたいんだが?」


「分かりましたすぐに用意させます」



俺は食堂に案内されて用意ができるまでお茶を飲んで待っていた。


早くしてくれ。

内心そう思いながら。


「準備が整いました」


執事らしき人が迎えにきた。


俺は早速ゲーム会場に向かう。




そしてゲームが開始された。

もちろん俺が得意なクイズ対決だ。


俺は主人といい勝負を繰り広げた。


俺が正解すれば次は主人が正解するといったぐあいに。


俺は妙に冷静だった。


そして最後の問題がだされた。


「貴方はこの問題で相手に勝てますか?」


俺はすぐにボタンを押したがちょっと待てと思った。


俺は考える。

はいもいいえも違う気がした。


はいと答えて正解でも同点だ。

いいえと答えて正解でも同点だ。

俺は何て答えるか迷っていた。


すると問題を出す人が

「答えは?」

と聞いてきた。


俺は答えた。

そして主人に勝ったのだ。


俺は金を貰い帰った。


俺の答えはどちらでもないだった。

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