第5話

翌日


俺たちはいつものように食堂に向ったが昨日の夜洋館から逃げ出そうとしていた男はこなかった。

するとそこに男の声が聞こえてきた。


「嫌だ死にたくない」


男は無理やり部屋から連れてこられたのだ。


「皆さん揃いましたね」

主人が言った。


男は主人を見るなり主人の足にすがりついた。


「死にたくないんです、何でもします、家に帰してください」

今日は男の順番だった。

主人は顔色を変えずに


「私の不戦勝ということでよろしいですか?」

と男に言った。


男は絶望して黙ってしまった。

すると主人が手を叩きゲームの会場まで男を連れて行くよう言った。

男は両脇を抱えられ連れて行かれた。


「嫌だ死にたくない」

と叫びながら。

主人は

「お見苦しいのをお見せしてすみません」

と謝り食事を続けるよう促したが誰も食事を続けなかった。



そして主人と男のゲームが始まった。

俺たちは席に座りそれを見ていた。


主人が一方的に勝っている。

男は冷静さを失っていた。


そして男は負けた。


「お願いします、もう1回勝負してください」

と男は主人に懇願する。


「何回やっても同じです、今の貴方じゃ」


そう言って手を叩いた。


男はどこかに連れて行かれた。


俺は執事らしき人に聞いた。


「あの男はどうなる?」


「ルールでございますから」


という返答だった。


そして俺たちは部屋に戻った。


主人の部屋に連れて行かれたが話ができる状態ではなかった。

その夜男はペットの餌になった。


「嫌だ死にたくない」


泣きわめきながら逃げ惑ったがとうとう力尽きてしまった。


1人また1人と消えていく。


残り8人

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