第14話最後のチャンス到来

家に居る歌保に、探偵から連絡が入る。


「頼まれてた、案件の報告です」


「どうぞ」


「木村泰造、預貯金5000万、佳子500万

修造1000万、絵美300万、負債3000万

矢田陽一、預貯金300万、春花100万負債0

以上です」


「ありがとう、報酬100万振り込みます」


「そんなに?」


「はい、引き続き家の周りの見張りを

お願いします」


「はい!」


(矢田は車に、お金が居るから、もう

終わりね!木村から後5000万、どうやって

取り上げるかが、問題だわ)


そして歌保は、夜帰ってきた充に、お金を

見せた。


「歌保!これ木村から?」


「そう、取り上げたの、でも後5000万取り上げるわ、それで木村は終わりよ!」


「よく出したな?こんな大金を」


「泰造は、まだ選挙に出る気だから家を

引っ越せ無いのよ、地盤が有るからね!

でも、本当に選挙に出るなら、許せない!

それと、あの不必要なプライドのお陰よ!」


「そうだな!でも、あんな事が有って、まさか出ないだろう?」


「いえ、充さんプライドの高い泰造が

このまま、政界を引退するとは思え無い

のよ!」


「う~ん、木村の動きは見ておかないとな!黒田家は終わったし、矢田家は?」


「矢田家は、もう放って置いても終わりよ!」


「でも歌保、警察が全然来ないな?」


「そうね、用意周到にして、証拠を残して

無いから、私に辿り着けないのかな?」


「そうだな!歌保、後もう少しだな!」


「うん!愛奈は喜んでくれてるかな?酷い事をしてるから、怒ってるかな?」


「歌保!歌保は愛奈の為に、頑張ってるん

だから、きっと愛奈も喜んでくれてるよ!」


「充さん…充さんも今月で退職だね?心配

しながら、お仕事ご苦労様です!」


「何を言ってんだよ、歌保の方が、ご苦労様

だよ!」


二人は何時も、愛奈の写真の前で話をしていた。

今日も愛奈の写真の前で話をしている。

二人は、自然と愛奈の写真に目をやる。

写真の中の愛奈は、何時も笑っていた。

その笑顔が、二人の胸を締め付ける。

後少し、充は仕事に行く。

翌日、充を見送った歌保は、木村家と矢田家の話を聞いている。


(何か、いい方法は無いかな?)


一人考え込む歌保。

その時、木村家の話が聞こえて来た。

泰造の声だった。


「その後、何も無いな?あの和扇先生は

本当に凄い人だな!」


「言ったでしょう?普通、知らない様な事も、ジャンジャン言い当てるんですから

ビックリしましたよ!」


「高いけど、お祓いして貰って良かったな!」


「そうですね!」


「あ~そうだ、明日市内で会が有るんだよ!

今度の選挙の出場の話だから、遅くなる

から、明日は向こうでホテルに泊まるから」


「そうですか、余り飲み過ぎ無い様にして

くださいね」


「あ~もう年だからな」


この会話を聞いていた歌保は、やっぱりまだ選挙に出る気の木村泰造、その家族に又、激しい怒りをおぼえた。


(今日が最後のチャンスだわ!許さない!

根こそぎ取り上げてやるわ!)


歌保は、和扇に変装して準備をした。

そして、木村家を訪ねた。

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