第11話女刑事、柊悠里、権田、早川の登場

現場に到着した3人。

権田、柊は遺体の確認と現場を見ていた。


「あれ?権田さん早川は?」


「あ~あいつ、死体を見るのは駄目だから

無理だと言って、あそこに、お前に見付からない様に隠れてるぞ!」


「隠れてる?丸見えですけど」


「まぁ、早川は、あれで隠れてるつもりなんだよ」


「相変わらず、バカですね」


そう言うと、柊は早川の所に行った。


「早川~」


「えっ!どうして分かったんすか?」


「丸見えだよ!はい、行くよ!」


「僕には無理っす!」


「あんたね~刑事だろう?死体も見れないん

じゃ話にならないよ!」


「だって~」


「だってじゃ無い!あんた本当に事務職に

行く?」


「それは嫌っす!行くっすよ!」


柊は早川を連れて、死体の確認をする。

早川は、手で顔を隠している。

その手を、権田が払い除ける。


「もう~権田さん、何するっすか!」


「ちゃんと見ろ!お前にしか気付けない

事が有るかも知れないだろう!」


「はいっす!」


早川は、恐る恐る見ている。


「権田さん、この夫婦は、あの自殺した子の

両親ですよね?」


「あ~そうだな」


テーブルの上には、心療内科の薬の袋と

お酒が置いてあった。


「心療内科の薬?なんだろう?」


柊は薬の説明書を読む。


「権田さん、これ睡眠薬が処方されてますね」


「何時だ?」


「昨日ですよ?早川、この病院に電話して

確認を取って!」


「はいっす!」


「旦那に睡眠薬の入ったお酒を、飲ませて

寝た所を差して、自分で首を切った、無理心中だな」


「ですかね~」


「何だ?柊、納得行かないのか?」


「う~ん、何だか気に食わないですね!」


「まぁ、今鑑識が調べてるから、少し待とう」


「そうですね」


そこに早川が、やって来る。


「権田さん、柊さん、確認取れたっす!

昨日、初めて来院して、御主人のモラハラで

寝れないからと言って、睡眠薬の処方を

頼んだそうです」


「自分から、処方を頼んだのね!」


「柊、これは奥さんの計画的な無理心中だな」


「う~ん、まぁ、鑑識の結果を待ちます!」


「あ~じゃ、署に戻るぞ!事件は他にも

有るからな!」


「はい!」


「はいっす!」


「早川、お前はやけに嬉しそうだな?」


「やっと死体から、離れられるっすから!」


「早川~本当に事務職に行かせるよ!」


「ひぇ~それだけは許してくださいっす!」


「あんた、死体も見れないのに、どうして

そんなに刑事にこだわるの?」


「それは、僕権田さんと柊さんと働くのが

好きだからっすよ」


「早川~あんたのそう言う所は、本当に

可愛いね」


「柊さん、ありがとうっす!署に帰ったら

美味しいコーヒー入れるっすよ!」


「ありがとうね!」


「早川~」


「あっ!権田さんにも、ちゃんと入れるっすよ!」


「俺は、ついでか!」


「そんな事は……」


「何だよ!その間は?」


「いえ、嘘は駄目っすから!柊さんのついでに権田さんにも、入れるっす!」


「あ~早川~もう頭が痛いから、黙ってろ!」


「聞いたのは、権田さんじゃ無いっすか!」


「ハハハハ」


笑う柊。

署に戻り、他の事件を調べて居ると、鑑識が

やって来た。


「失礼します!」


「どうでした?何か見付かりましたか?」


「いえ!二人の指紋以外は見付かりません

でした、それにげそこんも、確認出来ません

でした、これと言って不審な点が有りませんね!」


「そうですか、じゃあ無理心中と言う事に

なりますね」


「そうですね」


「分かりました、ご苦労様です」


「はい!では失礼します!」


その話を聞いていた柊は、口を尖らせて

不満そうな顔をしている。

権田は見て直ぐに分かったが、鑑識が調べて

何も出ないので、手も足も出せない状態

だから、敢えて柊を、そっとしておいた。

その頃、歌保は木村家を訪ねていた。




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