奪って捨てる男+
俺よりダサい奴が良い女を彼女にしてるとか許せなくないか?
俺のほうが満足させてやれる自信がある。
結婚してる訳じゃないんだ。恋愛の段階なら自由だろう?乗り換えようが捨てようがな。
見た感じのまんま真面目な女だった。最初は嫌悪感丸出しだったぜ。軽い奴だと思われてたんだろうな。実際にそうだが。
こういうタイプは慌てずにじっくり落とす。ガードが固いからな。何度も話しかけながらさりげなく褒める。些細な積み重ねが徐々に警戒心を薄めていくんだ。
普通に話せるようになったら徐々に踏み込んでいく。彼氏に対してのちょっとした不満とかを聞けたらアドバイスしてやるんだ。応援してるって感じでな。
彼氏に対して言えない不満とかを言うようになってくる。俺ならこうするとアドバイスしてる風に見せかけてアピールする。そろそろかな。
デートの練習とか言って遊びに行く。ここまできたら好奇心や背徳感が出始める。彼氏に悪いと思い始めるんだ。まだだ。もう少し焦らさないとな。
これくらいなら…ちょっとくらいなら…そんな雰囲気を察しつつジワジワと落としていく。
君を好きになってしまったと真顔で告げる。彼氏とは仲良くやって欲しい。でも、俺の気持ちも本気だと。本気でヤリたいんだよ。
揺れ動き始めたら彼氏がいてもいい。俺の事も見て欲しい。二股をかけさせる。真面目な女は大抵ここで何かが壊れ始める。
彼と俺。二人とも彼氏なんだからおかしくない。だから君のせいじゃない。ベッドで罪悪感を煽りながら絡め取る。この瞬間が一番好きだ。
ある程度遊んだら捨てる。俺に本気になりすぎて彼氏と別れるとか言い出したら面倒だ。だから…君の事は好きだけど、やっぱり彼氏に悪い。俺じゃ彼より君を幸せにできそうにないから身を引くよ。
女は泣いていた。自分が悪いのだと。どちらも好きだから決められなかったと。いいタイミングだったらしい。さて、次は誰にしようかな?
私と彼は付き合って半年。少し前に彼がサプライズで半年記念のお祝いをしてくれた。真面目な彼がサプライズとかしてくれるなんて思ってなかったからとても嬉しかった。
1人で廊下を歩いているとクラスメイトのチャラ男に話し掛けられた。話した事はなかったが、何だか軽薄そうな感じがする。苦手なタイプだ。特に用もなかったみたいで少し話して去っていった。
それからはたまに話し掛けてくるようになった。まだ少し苦手だけど面白い人みたい。たまに話の流れで褒めてきたりするからちょっと恥ずかしい。
彼とは上手くやっているつもりだけど…たまに不安になる。こういう話はチャラ男が得意な気がする。少し話をしたらアドバイスしてくれた。上手くいくといいねって。チャラ男は最初の印象と違っていい人みたい。
彼の愚痴をこのチャラ男にするようになってしまった。彼とデートする時はなんか…行く場所を決めてないからグダグダになるって相談した。俺ならデートコースは最初から決めて引っ張っていく。試しにデートの練習してみる?って提案された。彼とのデートがもっと楽しくなるかもしれない…。練習だから…いいよね?彼の為だし…許してくれるよね?
チャラ男に連れられてデートの練習をした。練習が終わって彼と一緒に同じデートコースを楽しんだ。…少し物足りない。楽しかったけど…チャラ男ならどうしたかな?もっといろいろ教わらなきゃ…
チャラ男と話をしていると急に告白された。彼と仲良くやって欲しいけど…俺も本気なんだって…。そこまで思い詰めてたなんて…チャラ男の想いを聞いて揺れてしまった。
少し時間をもらった。彼の事は好き…チャラ男の事は…好きになってる…どうしよう…
私は…選べないよ…
私が悩んでいるとチャラ男から彼と別れずに俺と付き合って欲しい。って言われた。選ばなくて…いいの?2人とも好きになっていいの?私はそんな道があるなんて知らなかった。…だから迷わずその道を選んでしまった。皆が幸せになれる道…選ばない理由が無い。
チャラ男と何度目かの逢瀬。彼とはまだだ。彼には悪いと思いながらチャラ男が優しくしてくれる感覚に身を委ねる。耳元で2人とも彼氏なんだから…何も悪くない。彼とはそのうちすればいいって…。そう…だよね。ごめんね。そのうちしようね…。だから今は…
チャラ男から別れを告げられた。
君の事は好きだけど、やっぱり彼氏に悪い。俺じゃ彼より君を幸せにできそうにないから身を引くよ。
やっぱり…傷つけてしまった。自分が傷ついても私と彼の幸せを応援してくれるという。私はチャラ男の想いを聞いて泣いてしまった。私が悪いんだ。2人とも好きになってしまったから…2人のどちらかなんて決められなかったから…ごめんなさい。
チャラ男は最後まで優しかった。ごめんなさい。こんな女で…
それからはチャラ男は私と話さなくなった。だから今は彼1人だ。…彼の事は好きだ。でも…チャラ男を思っていた部分が欠けてしまった。心が半分になってしまったみたいだ。
……彼だけじゃ足りない。誰かで埋めなきゃ…彼の為だから…許してくれるよね?
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