第1話 思いがけない出会い 朱里
私は恋をしてしまった。相手は二つ年上の女性。
「瑞葉、おはよう」
「おはようございます。」
こういう世界は昼でも夜でも最初に会ったときの挨拶は「おはようございます」である。
二年生の先輩、
昨日のことを気に掛けてくれているようでやさしく接してくれる。周りに気を遣って二人だけで話してくれる。
「昨日は大丈夫だった?」
少し恥ずかしかったが
「そう、よかった」
「そっちの方に目覚めちゃったら、どうしようかと思って……」
さりげなく言う
「もし、そういうことで悩むことがあったら、いつでも相談してね」
「え?」
と顔を上げる瑞葉。
少し首を
「たぶん、私、相談に乗ってあげられると思うから」
目を丸くする瑞葉。
人差し指を口の前にして『秘密』というような仕草をする
美人で部員内でも人気の先輩から思わぬカミングアウトをされ驚きとともに、昨日からの緊張や悩みから少し解放された気がした。
「私の連絡先知ってるよね」
「あ、部員の人の連絡網はもらってます」
「そうよね。いつでも連絡してくれていいからね。そうだせっかくだから、交換、交換」
といって電話番号とLINEを交換してくれた。
「あ、心配しないで、いつでも連絡してくれていいけど、私の方から鬼電したりしないから。私、どっちかというと、『ぼっち』大好きだから」
そういう彼女は、瑞葉から見ても、確かに周りと
稽古場に人が増えてきた。
「じゃあね」
と言って去って行く
瑞葉の周りには一年生女子が集まって来た。
「昨日大丈夫だった?」
などと、皆それぞれに心配してくれた。
しかし、そんな皆の言葉より、昨日から、ずっと
そんな
そんな
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