第15話 ライブ当日

今日は薔薇バラのライブの日。

りょーが代わりにボーカルとして出ることになった訳だが、何が起きそうな予感しかしない。


「よーし頑張るかー」


りょーは顔を両手でパチンと叩き気合を入れた。



キャー


歓声が響き渡った。

薔薇バラは今じゃ学校外でのライブ活動が中心のバンド。

他のメンバーはこの歓声にビクともしない。


「行きますよ。」


萌乃が俺の背中を押しながらステージへと上がって行った。


メンバー全員がステージに上がった所で観客席がザワザワしてきた。

どうやら行春がいないことに気がついたらしい。


「まず先に行春のことについて話をするぞー」


全員がりょーに注目した。


「行春は熱で家にいるんだー、どうやら風邪ひいたみたいでさー、それで幼なじみの俺が代わりに出ることになったんだよー」


「この人は私達の学校でバンドを組んでいる人です。安心してください。」


萌乃が一言付け足した。

その言葉に観客は納得したようで、また黄色い声援をあげた。


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