第68話 ズル休みしながら地獄楽

会社をズル休みした。

この一言に尽きる。

布団で横になりながらアナログ時計を見て、

ああ、今用意してもバリバリ間に合うのに、

起き上がる気も今回はあるのに、

今回は動けないじゃなくて、

動かない。

社会人失格だ。社会不適合者だ。

派遣の担当さんにも会社にも連絡をせねばならない。

もう、辞めちゃおうかな。

背負ってるもの、家賃だけだし。

そもそも、親に殺すとか殺せとか言われたり、母の機嫌が悪かったり、弟がうんち漏らしたり、お風呂とトイレがうんちまみれとか、ズボンもそのままリビングに置いてあるとか。何にも言わなくてもわたしにはストレスが山ほどあって、やっと子供部屋おばさんから外に出て、

そうすれば自然といい人ができて結婚も病気があるけど夢じゃないな、って思ってたけど。

周りの人全員結婚して子供がもういる。

それより好きだと思える人に出会えないし、好きじゃなくても結婚できそうな人にわたしの中では、ハードルみたいのが下がっていく。

応援してくれる人も家族もいるのに、明日も会社のあの部署にいたくない。

完璧に詰んだ。もう、行きたくない。

毎日コツコツだって、思ってきたけど行きたくないよ。

七月末までもたないよ。限界。

どこかに吐き出したい。

父なら、母なら、説教をしてくれるだろうけど。

頑張るきょうだいを見れば勇気が湧くだろうけど。

弟は嫌いだ。名前も呼ばれたくない。笑ってほしくない。

今日はずっと部屋にあるお菓子を食べていた。歯磨きしなくちゃ。カーテン閉めなくちゃ。

明日も休まなくちゃ、って思う。もう限界。

大したことしてないし他の人は悠々としているのに限界。有給があるなら、全部消費して休みたい。

それで次の部署に移らせてもらう。

だっていうのに派遣担当が、有給の有無を教えてくれない。

もう今日は一日中エアコンのクーラーがついてる。十時くらいかな、朝は涼しいけど無理だった。

話題は変わるけど、ベッドで死人のように過ごすのもなあ、と思って動画を見た。地獄楽だ。山田浅ェ門みんな美形、美人なんだよ。特に最終回手前と最終回の士遠さんが可愛くて赤面萌え。強くて抱かれたい。ヌルガイくんもっと抱きしめてあげて!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る