第20話 統計持ち出す奴信用できない。
わたしは、急に。
彼に、お別れLINEを送り。
彼はわたしになにかを送り。
それを取り消して。
そのあと別れたくないとの旨を送ってきた。
大事にしたいと思ってる、と書いてあったような気もする。
大事にされ、処女も病気も受け入れられ、こうして一人の、社会で働く人間として、初体験をやさしく手解きしてくれるという相手に何が不満なのか。
好きじゃない、のもある。
でも、1番は、誰に捧げるかが大事という言葉。
出会って一ヶ月ですることに対して早いでしょうかという不安な問いに、
「一般的には高校生くらいで経験する」、「高校生で生み捨てする人もいる」という返答だった。
わたしが、処女をこじらせているのだろうか。
彼、いや、お見合い相手で、無経験脱出の糸口の彼を嫌いで、言葉は気持ち悪いものに思えてきた。
どうして、うみすてなんて、知らない単語が出てくるの?生み、産み、捨て?遺棄?
そうじゃなかった。遺棄ではなかった。
ただ養子に出すとかもせず、ほんとうに若くして、行為に及んで子供を捨てる人もいるから、一ヶ月で大人が性交渉をしても、問題あるまい、みたいな。突飛な発言がでたのだろう。
それが、わたしはもう、このひとは、わたしのことをとりあえず当日思い描いたように導いてする、それだけのために産み捨てという言葉まで使って修正しようとしてきてるんじゃないか。
すこし、怒りと。大きな嫌悪。
わたしは、その頃生理中だったと思う。
だからと言って不安定なわけではない。むしろ、中頃は冷静で、不安定なのは前後だ。
生理が終わり、このひととまじわる?できそうにない。
もはや、このひとから「脱処女」だの「初めて」だのそんな単語LINEでさえ見たくも聞きたくもなかった。
後に母に相談したら、初めてで誰ともしたことがないし早めに抱いて欲しいと、好きでもない相手にLINEという形で挑発したわたしにも問題があることがわかった。
友人にまで思いきり相談した。友人は正しかった。わたしより経験豊富であったし。父はしょうもないことで悩んでんな、独りなんだから楽しめばいい、と独身を楽しめと言う。
わたしは独身で、彼氏いない歴年齢だ。
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