第15話 未経験
ちょっとでも好きなひとと、そういう関係になりたかった。でも、レールから外れてしまった私には難しすぎて。何でも受け入れる人も怪しく見える。ような気がする。どうしようか。
私の人生で、艶めかしいことは何もなくて。同級生とのエッチや、大学生での火遊びや、社会人になってからの不倫スレスレの体験。そういったもの、何もなし。これからもなにもなし。
イケメンが好きだ。若い子に目が行くけれど、自分がもっと若かったらいいな、と思って。当然迫ったり自己を見誤ったりしていない。
彼氏ができたらいいな。
優しくて、体験がなくても大丈夫で、大人で、バーで出会ったような。背の高い。
くたびれたようでもいい。
背広を着こなした人でもいい。
でも、そういう人たちは、わたしに声をかけてはくれない。わたしも声をかける度胸がない。
無精髭のない人がいいかもしれない。行為の後に見せてもらえたらいい。
あってもいいのかもしれない。ただ。
誰とするか。
今後一生、だれとも機会がないのかもしれない。
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