湖
木陰の隙間の湖面と
道の形に切り抜かれた空の
ふたつの青は重なり合って
もはや どっちがどっちだかわからぬ
眼前全てが湖面であり
眼前全てが青空である
一方 足元に 栗鼠の死骸
頭蓋骨はぱくりと割れて
脳漿と膿血の赤が
じわじわと爪先を濡らそうとする
30センチの湖面であり
30センチの落陽である
どちらも等しく 美しかった
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