側溝

雨が降っている

側溝は轟轟鳴っている


柔らかな雨である

万物を濡らす水滴は

汚れを包んで土へと還す

残された天と地の間は

ただただ潤んで清潔である


豊かな雨である

しゃびしゃびの舗装道路は

自ずから耕され

こんもりと膨らみ

新たな命を待っている


だが 見よ その下で

側溝は 轟轟鳴っている







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る