ひぐらし

ひぐらしの声

驚いた まだ春先である

現代の不思議を見遣れば 

何のことはない

得体の知れぬ 溝の入った棒が

ドブの金網に引っかかって 鳴いていただけであった

丁度 ギロみたいであった


君 僕を阿呆だと思うか

いやいや 待たれよ 待たれよ

ひぐらしが目の前で鳴いたことはあるか

存外見たことないのでは?


我ら地球の友人は

そんな絡繰りなのやもしれぬ

いずれ 鉄棒が

我らの周りを取り囲むのだ

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