第41話

 金城は『理解』した。

 なぜか金城は『すべてを理解』した。

 ふたたび旅客機が衝突したのだろう。『最終宗教戦争』のためにだ。今日はもうひとつの『あの日』になるんだ。無論金城が理解するのはおそすぎた。南棟でも爆発音がめく。きつきゆうじよそんきよするふうぼうになった金城は量産型『システム』の団塊のいんえいをじぐざぐにぬうかたちで疾駆しがら張りの窓枠のもとにもたれかかった。慎重にとうをもたげて窓外の様子をする。刹那北棟上階からとびおり自殺をけつしたらしい『ちてゆく男』と視線がまじわった。金城はないそうぼうをとじる。まぶたをひらくと金城は南棟の旅客機衝突箇所と南棟のがらにうつった北棟の衝突箇所を確認した。このままでは十分から数十分でツインタワーは崩壊するだろう。金城はこうかくする。いまおれにできることはなんだ。『いのる』しかないのか。いや。おれは『かんがえる』んだ。『人間のちからでなんとかしなければならない問題』だからだ。

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