第30話

 こくそくたる歩兵たちは『システム』を起動する。

 ひようかんなる歩兵たちがそうぼうをつむって顳こめかみの端末を脳内で操縦するとすい色のきゆう窿りゆうから装甲車へとこうぼうがふりそそぎしやりよう外に『天使』たちがあらわれる。ハンナはおもう。うつくしい戦士たちよ。たたかいなさい。といえども信仰心うつぼつたりえない歩兵たちの『観測』でしようへいできるのはにせディオニシウスの天使九階級のうち最下層のエンジェル・アークエンジェル・プリンシパリティーたちくらいだ。つづく無線通信にて「『復活の日』は北西・北東・南東部に展開しながらアレッポ城を拠点としている模様」と連絡されくだんの装甲車は北西部のはいきよはちがいかいして北西側に展開された『復活の日』残党ときんたんをひらいた。『復活の日』は『九一一同時多発せき』事件の中枢的組織とされるアルカイダ残党をちようとし『九一一』を契機にじやつされたアフガニスタン戦争にて発生したタリバン政府残党やイラク戦争の旧イラク軍残党および世界各国の義勇軍によって結成された武装組織である。そのために『復活の日』勢力の戦闘員の能力はぎよくせきこんこうであり装備品もアフガニスタン戦争やイラク戦争しよくそうぜんたる陸上兵器しか掌握できていないという情報だった。アメリカ陸軍は二〇一一年に勃発したシリア内戦下において『復活の日』の残党がシリア国内にしようしゆされていると認識し西南はイスラエル北東はグルジアとアルメニアという非ジブリール教国という地政学的要因をこうかくしてイスラエル側からの討伐作戦をけつしたのである。ような状況で『せき』をおこせばめんの『復活の日』をおうさつできるとかんがえたのだ。

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