第15話

 二〇一一年の四月某日。

 金城ひろは『神なんているはずがない』とおもっていた。

 世界は神松島市『西行戻しの松公園』に注目していた。うつそうたる森林にじようされており眼下にはあいぜんたる松島全景がひろがっている公園には灰褐色の雪片が点在しておりれいめいしよこうかくやくと明滅していた。りんれつたる公園にはゆうすいたる僧衣の真言宗・天台宗・そうとうしゆう・浄土宗の僧侶たちがしようしゆされ白衣の金城ひろたち素粒子脳科学研究所の研究員たちに『β型システム』なる機械から遠隔操作される非侵襲型の『端末』を側頭部に装着されていた。金城はおもう。これは悪魔の証明か。たんなるきようてんか。ばくなる中央TV局の支局からゲストの宗教学者とともに配置されたいんぎん無礼なるTVクルーのキャスターが金城ひろにインタビューする。いわく「これからせきがおこるのですよね。人間がいのれば神様や仏様はこたえてくださるのですよね」と。

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