第10話

「Hallelujah」と群像は拍手しどうこくした。

「Hallelujah」のこえは大聖堂内の壁面に反響し不協和音となって室内にめいた。今回げんぼくなるハンナばあさんの英語による説教は同時に百戦錬磨の通訳によって同時に日本語に翻訳されていたがいずれも反響音でこんぜんいつたいとなっていた。畜生。だまされてたまるか。神はトリックだ。いんれつされた長椅子に憤然として鎮座していた金城ひろしやはんの「Hallelujah」のこえがていげんされてゆきしんいんひようびようとして大聖堂内にせいひつがもどるとないにみぎてをかかげてハンナばあさんに『質疑応答』を希求した。ハンナばあさんが「Okay」というと金城ひろしようりつりゆうちようならざる日本語なまりの英語で尋問した。「わたしは宗教的現象がすべて脳内の幻覚であると証明するために素粒子脳科学という独自の研究をしているヒロキ・カネシロといいます。わたしは神も人間の妄想だとおもっております。のうわたしが大海原で溺死せんとしたときにわたしをすくわんとしたプロテスタントの牧師である父親が神にいのりながら死んだからです。わたしはあの『せき』すら半信半疑におもっております。きっとあの映像はねつぞうされたものでしょう。もし本統にあなたがせきをおこせるのならばいまここでせきをみせてください」と。おうようにもくだんのれいなる通訳者が日本語に翻訳しようとしているなかハンナばあさんはぼくとつたる英語でこたえた。

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