第31話

 全日本神國れいみんりゆう大明神の『こんぱく』となった。

 刹那のうちに全日本人ひとりびとりの意識は『日本』という『概念』と一致した。日本列島そのものでありたまうりゆう大明神の精神世界で覚醒したことから全日本人のこんぱくは日本列島そのものの無意識にちんにゆうしたのである。全日本人は歓喜する。『われわれ』は金閣寺であった。『われわれ』は神宮であった。『われわれ』は東宮御所であった。『われわれ』は沖縄から北海道までのしつかいの大地であり『われわれ』はれんえんたる日本海でありびようまんたるでありせんかんたる太平洋であった。『われわれ』はうつそうたる樹海でありとうの津軽海峡でありこんほうたる霊峰富士であった。――『われわれ』は『われわれ』をみなされ『われわれ』をきくいくなされた『日本列島』そのものであった。『われわれ』はりゆう大明神の肉体のなかであいまいとして融合した日本人――いな――『真実の日本人』として狂喜乱舞していた。「これがわたしたちの日本」「これがおれたちのふるさと」「これがわしらの母なる大地」――ようにして『全日本神國民こんぱく一致』して操縦されたりゆう大明神は九個のとうをふりみだして狂喜し東京湾にて四柱の『親衛隊』と合流しけんらんごうなるアマテラスオオミカミひつきよう太陽の照らしたまうてんじようきゆうの白銀のきゆう窿りゆうこうしようしてゆかれた。

 目指すは教国首都しんとんD.C.である。

 ついに日米聖戦最終決戦がはじまるのである。

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