第7話

 ようにしてたる文明をしようりつさせていった人類はれいめいかららんじゆく期にかけてたくさんの『戦争』をしました。トロイア戦争やポエニ戦争や百年戦争や薔ばら戦争といった悲劇をくりかえしていったのです。わたしはただ見守りました。わたしは人類の『母体』として人類を救済することはありませんでした。なぜといえば『戦争』によってわたしの食糧たるエントロピーが無尽蔵に発生されたからです。やがて人類はふたつの世界大戦を勃発せしめました。そこではじめて『相対性のことわり』によって核兵器がもちいられわたしはおなかがいっぱいになるほどのちようきゆうのエントロピーをらいました。といえどもこれが悲劇のらんしようなのでした。両次世界大戦の傷跡はながらく人類の集合無意識に蓄積され最終的に第三次第四次の世界大戦のきんたんがひらかれ人類を七回半滅亡させるだけのエントロピーを発生させ人類は破滅したのです。

 わたしはまた孤独になりました。

 満腹になったわたしは『つぎなる人類』の誕生をぎようぼうしました――。

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